美肌治療の基本中の基本「ピーリング」なくして美肌は成しえない理由

外科医

■「ピーリング」は美肌治療の基本中の基本

くすみ、シミ、色素沈着、ニキビ、吹き出物、肌のゴワつき、乾燥肌など、さまざまなお肌のトラブルをかかえ、毎日多くの方が来院されます。

これらの肌トラブルに対して、まず行うべき第一選択の治療法は、「ピーリング」です。

ピーリングと聞くと、「皮膚をはがすのですか?」「それって危険じゃないの?」「皮膚が薄くなってしまうのでは?」「肌が弱いのにやっても大丈夫?」などと不安を訴える方がたくさんいます。

 

 

ピーリングは英語のピール(peel)に由来するもので、確かに「果物などの皮をむく、はぐ、 はぎ取る」という意味があります。しかし、ほんとうに皮膚をベロンとはぎ取るわけではありません。皮膚の表面にある古くなった角質のみを取り除く治療なのです。ですから、シート状に皮膚がベリベリっとはがれることはありませんし、やけどのように皮膚がただれたりすることもありません。

角質層の厚さは約0.02mmとラップ1枚程のうすさなので、ピーリングで角質をとったとしても肉眼では見えません。

ピーリング後は、普段通り洗顔やメイクも可能ですし、すぐに人前にも出られます。

ピーリングにはいろいろな種類がありますが、一般的なものは「ケミカルピーリング」といって、専用の薬剤をお肌に塗って、表面の古い角質層をはがし取り、新陳代謝をうながすもっとも基本的な美肌治療です。

 

■角質とは肌細胞の死骸です

人間の体を構成する細胞の数は約60兆個あると言われていますが、それぞれの臓器によって細胞の寿命の長さが異なります。

胃や腸の細胞の寿命は約1日、赤血球は約120日、肝臓の細胞は約200日というように、寿命が尽きて細胞が死ぬと、新しい細胞が生まれ、入れ替わるという細胞の新陳代謝を、体のそれぞれの部位で繰り返しています。

 

皮膚の表皮細胞の寿命は約30日です。

皮膚の表皮は細胞がレンガのように積み重なってできています。

 

 

赤ちゃん細胞は表皮の一番深い所で生まれ、古い細胞はどんどん上へ持ち上げられていき、上に行くにつれて年をとった細胞となります。一番上の細胞が一番年をとったおじいちゃん・おばあちゃん細胞です。さらにその上に乗っかっているのが死んだ細胞です。この細胞の死骸のことを「角質」といいます。

 

 

赤ちゃんや子供の肌では、約1か月の周期で毎回規則正しく角質がきれいにはがれ落ち、下から新しい細胞がどんどん出てくるので、いつもきれいな肌が保てます。この細胞の入れ替わりのことをターンオーバーといいます。

年とともに、このターンオーバーがスムーズにいかなくなり、古い角質が残ったままはがれていかず、どんどん細胞の死骸が増えてくるとさまざまな肌トラブルの原因となります。

 

■蓄積した古い角質は肌トラブルの原因に

古い角質が蓄積して角質層が厚くなると肌のくすみやゴワつきの原因となります。また、たまった角質が毛穴をふさぎ、詰まらせてしまうと、ニキビや吹き出物の原因となります。

ターンオーバーが乱れると、未成熟な角質が積み重なり、角質層にすき間ができたり、一部分めくれたりして、そこから水分が蒸発して、乾燥肌の原因にもなります。

紫外線を浴びると、表皮の一番深い部分でメラニン色素が作られ、肌の色が黒くなりますが、細胞の入れ替わりがスムーズにおこなわれれば、メラニン色素も一緒に排出され、色は元にもどります。しかし、ターンオーバーが正常に行われないと、メラニン色素が表皮よりも深い所に落ちてしまい、シミとなってずっと残ってしまうことになるのです。

よって、ケミカルピーリングにより、たまってしまった古い角質をお掃除してあげるのがベストな治療法ということになります。

ケミカルピーリングは、用いる薬剤の種類によっていろいろあり、当院で行っているものは以下の4種類です。

・乳酸ピーリング:初心者向けのマイルドなピーリングです。

・アミノ酸ピーリング:保湿力・抗酸化力が強いので、乾燥肌や紫外線による肌トラブルに向いています。

・サリチル酸ピーリング:ニキビとの相性が良く、重症のニキビに効果的です。

・マッサージピール:皮膚の深層にある真皮層に働きかけコラーゲンを増やす作用があります。

専門の医師が患者さんのお肌をよく診察し、肌質や肌トラブルの状態に合わせ、最適な薬剤を選択します。

 

■ピーリングはお肌のメインテナンス治療としても最適

歯を健康できれいな状態に保つためには、定期的に歯医者に行って、歯石をとったりクリーニングをしてメインテナンスをします。

それと同じように、お肌も若々しくきれいな状態を維持するためには、定期的にメインテナンスをやり続けることが重要です。

「何回やればいいですか?」という質問をよく受けますが、何回で終わりではなく、定期的にやり続けることが重要です。

肌の細胞の入れ替わりをスムーズにし、新陳代謝を高めることにより、美肌を維持するピーリングはメインテナンス治療としても最適なのです。

肌トラブルの治療目的としては、1~2週間に1回のペースで集中的にケミカルピーリングをおこないます。

症状が改善したら、良い状態をキープするために、メインテナンス治療として1~2か月に1回のペースで定期的にケミカルピーリングを継続されることをおすすめします。

以上を、動画でわかりやすくまとめてみました。

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Source: Dr松下ブログ

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