この9月12日,私はついに還暦となりました.
これまでも40歳,50歳と年齢の節目のたびにその重みとでもいうものを感じてきましたが,まだまだ自分には先のことと思っていたこの年齢に達したことに正直まだ実感が湧かないと同時に,今までの節目以上に重みを感じています.
一昔前は,五十代,六十代と言えば,立派な年寄りでした.あのサザエさんの父親の波平の設定年齢が54歳というから驚きですし,幼少時によく遊びに行った母方の祖父母もまだ五十代でしたが,典型的なおじいちゃん,おばあちゃんという感じでした.
しかし今や世界トップクラスの平均寿命を誇るようになった我が国では,この年代の位置付けは当時とは全く異なっています.心身ともに若くなっているのはもちろん,社会的にも完全に引退してしまっている人を探す方が難しい.
それに何より,少子超高齢化,核家族化,格差の拡大も相まって,定年後は孫の相手でもしながら悠々自適,趣味三昧の隠居生活などということはぼ少なくとも庶民にとっては不可能となっています.また65歳以上という高齢者そのものの定義を見直す動きさえあり,人生100年時代と言われるようになったこの時代,ある意味当然の成り行きかもしれません.
でも街の書店を見渡すと,定年後の生き方,社会との関わり方,健康や介護,お金,終活などに関する本が新刊のコーナーに所狭しと溢れかえっており,昨今の不安定な社会情勢とも相まって,誰しもが自分の長い老後に不安を抱いていることの裏返しだと感じます.
さて,長年数多くの患者さんたちを診ていると,高齢になっても心身ともに元気な人たちのパターンとでもいうべきものが見えて来ます.
以下が私の経験から導き出された元気な人たちの主な人物像です.
1.気持ちがいつもポジティブで明るく,あまり細かいことに悩んだり,不平不満や愚痴などネガティヴなことばかり言わないひと
2.いつも心がリラックスしていて物腰も穏やかで笑顔の多いひと
3.背筋がピンと伸びていて姿勢が良く,ハキハキとした声で話し,よく歩き,歩く速度が速く歩幅も大きいひと
4.喫煙をしないひと
5.身だしなみに気を遣っているひと
6.いつまでも好奇心に溢れ,仕事や趣味やボランティアを,楽しく(これが重要です)続けられているひと
7.食欲が旺盛なひと
8.健康には気を遣いつつも過度の健康オタクでないひと,巷に溢れる健康情報に振り回されないひと
他にもありますが,ざっとこんなところでしょうか?
もちろん,大病を患ったり,経済的に困窮してしまえば話はそう単純ではなくなりますが,少なくとも心の持ちようだけはこうありたいと思いますし,高齢者のみならず当然若い人にも当てはまる事柄ばかりです.
さて,私はどれくらい当てはまるでしょうか?
干支が一回りしたこの歳,身も心もリセットして,大還暦とまではいかずとも(そこまで生きたくもないですが),その半分の卒寿くらいまでをめざして,心身ともにできる限り元気でいたいと思います.
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Source: Dr.OHKADO’s Blog
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