おはようございます。
投資信託業界の中で、業界最低コストを謳うeMAXIS Slimシリーズに新商品が追加されます。
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)という商品で、VTのように全世界の株式市場に時価総額加重平均に基づいて分散投資が一本で可能になります。
この商品の登場で、インデックス型の投資信託で何を購入するか悩んだら、とりあえずeMAXIS Slimシリーズの中から選んでおけばOKという状況がより強まりました。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)はインデックス投資の鉄板商品
インデックス投資の王道を行く時価総額加重平均での世界分散投資
今までも、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)はありましたが、日本を含む世界市場全体に投資するためには、eMAXIS Slim日本株式(TOPIX)を組み合わせる必要がありました。
正直、「除く日本」であろうが「含む日本」であろうが全体のパフォーマンスはたいして変わらないと思います。
しかし、「あえて日本だけ除くのがなんとなく気持ち悪い」と感じていた投資家にとっては、今回のニュースは大きいですね。
過度な分散はリターンを押し下げる可能性もありますが、何はともあれ取りこぼしなく保有しておきたいという考えの投資家にとっては、Slim全世界株式(オール・カントリー)は最適でしょう。
ベンチマークと信託報酬は?
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)のベンチマークと信託報酬は以下の通りです。
1) ベンチマーク:MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込)
2) 信託報酬:0.15336%
ベンチマークはMSCIですので、VTと異なり小型株の占める割合が少ないですが、トータルのパフォーマンスには大きな影響はないでしょう。
オールカントリー型の商品で、信託報酬0.15336%は驚異的ですね。
運用会社が三菱UFJ国際投信ですので、実質コストもうまいことまとめてくる気がします。
日本:先進国:新興国の資産配分は?
肝心の地域毎の資産配分ですが、時価総額加重平均ということで、
「日本:先進国:新興国=8:82:10」
程度となっています。
日本株式、先進国株式、新興国株式のそれぞれにベンチマークが存在し、
1) 日本株式:MSCIジャパン・インデックス(配当込)
2) MSCIコクサイ
3) MSCIエマージング・マーケット・インデックス
となっています。
2)のMSCIコクサイはeMAXIS Slim先進国株式インデックスと同じですし、3)のMSCIエマージング・マーケット・インデックスはeMAXIS Slim新興国株式インデックスと同じですので、イメージしやすいかと思います。
一方、日本株式部分のMSCIジャパン・インデックス(配当込)というのは聞いたことがありませんでしたが、どうやら新しいマザーファンドが新設されるようです。
まぁこのあたりはマニアだけが気にすることですので、一般の方は深く考える必要はない気がします。
楽天VTやSBI・全世界株式インデックス・ファンドと競合しますが・・・
ひと目で分かるように、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)やSBI・全世界株式インデックス・ファンドと完全に競合します。
楽天VTの決算運用報告書が発表され、実質コストが0.502%と割高でしたので、コスト面ではSlim全世界株式(オールカントリー)が優位かもしれません。
SBI・全世界株式インデックス・ファンドは初回の決算運用報告書が未で実質コストが不明ですが、楽天VTと同様のファンド・オブ・ファンズ型の商品ですので、予想以上にコスト高となる可能性も否めません。
また、楽天VTやSBI・全世界株式インデックス・ファンドのように、海外ETFを間接的に保有する商品の場合、米国外・米国・日本での三重課税の問題がありますが、Slim全世界株式(オールカントリー)にはありません。
実際の運用成績を見守る必要がありますが、かなり期待できる商品と言えそうです。
日本株、先進国株、新興国株の3つのファンドを組みあわせた場合とコスト比較
eMAXIS Slim日本株式(TOPIX)、eMAXIS Slim先進国株式インデックス、eMAXIS Slim新興国株式インデックスの3つの商品を「8:82:10」の割合で組み合わせれば、この商品をほぼ同じ内容となります。
その場合の信託報酬は0.132%程度になりわずかに有利ですが、わずか0.02%の差ですし、リバランスも含めて自動でやってもらえることを考えますと、Slim全世界株式(オール・カントリー)を購入した方がよいでしょう。
「少々の差には目をつぶって投資はできるだけシンプルに」
というのが長続きさせる秘訣だと思います。
まとめ
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の発売が発表されました。
時価総額加重平均の世界分散投資をするだけならば、これ一本をひたすら積み上げて後は寝ておくだけでOKです。
非常に使い勝手のよい、便利な商品が登場したと言えそうです。
こんな記事も書いています。
SBI証券のiDeCoセレクトプランではeMAXIS Slimシリーズが採用されているのが強みです。
米国株投資という観点では、楽天VTIとSlim米国株式(S&P500)が頂上決戦だと思います。
楽天VTの実質コストは0.502%と予想以上に割高でした。これから改善されることを期待しています。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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