【書評】鈴木祐『最高の体調』を読んで文明病を撃退しよう

内科医

おはようございます。

本日は鈴木祐さんの『最高の体調』の書評です。

文明病とは、科学技術の発達するスピードに人間が進化するスピードが全く追いつかないことで発生する体調不良のことです。

現代人は、一日を通じてデジタル機器に触りまくり、自然に触れる機会が少なく、運動量が不足し、寝る直前までスマホを触ることで睡眠の質・量が劇的に低下しており、誰でも文明病を発症する可能性があります。

こうした状況を長らく放置しますと、最終的にうつや意欲低下、将来に向けた漠然とした不安を抱えながら生きていくことになります。

無自覚のうちに文明病の餌食になっている方も数多く存在すると考えられ、一度本書を読んで文明病について知り、その適切な対処法を学ぶことをおすすめします。

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【書評】鈴木祐『最高の体調』を読んで文明病を撃退しよう

以下、『最高の体調』の要点です。

1) 文明病とは、科学技術の発達するスピードに人間が進化するスピードが追いつかないことで発生する体調不良のこと

2) 文明病を避けるためには、運動、自然に触れる、デジタル断食、睡眠、腸内環境、良好な人間関係、ストレスを減らすことが重要です

3) 狩猟採集時代の人類は生命に直結する不安を抱えていたが、現代人は将来に向けた漠然とした不安を抱えており、不安にうまく対処しないと慢性的な疲労が蓄積する

以下、私が重要と考えたポイントだけ取り上げます。

 

文明病:人間の進化が科学技術の進歩スピードについていけない

長い人間の歴史を紐解きますと、その大半が狩猟採集生活であり、定住生活が当たり前になったのは農耕技術が普及してからです。

農耕生活が始まったのはせいぜい1万年前で、その技術が実用的なレベルに至ったのは3,000年程度のことだと言われています。

つまり、人間の歴史のほとんどは狩猟採集時代であり、人間の体の仕組みは狩猟採集生活に沿ったものになっています。

一方、科学技術の発達は産業革命以後のせいぜい200-300年の間に急速に起こったことであり、特に顕著なのはこの100年以内だと思います。

これらのことから、人間の進化のスピードは科学技術が進化スピードと比べてものすごくゆっくりであり、このギャップにより人間の体が現代の生活についてこれなくなっています。

 

文明病を避けるために実践すべきこと1:自然の中で運動をする

文明病を撃退するには、日常生活の中で自然に触れることが重要です。

この場合、「自然」というのは必ずしも海や川、森などの天然の自然でなくてもよいようです。

Youtubeで大自然の動画をみる、観葉植物を眺めるなど人工的な自然に触れるだけでも一定の効果が期待できます。

とはいえ、可能であれば天然の自然に触れる方がより高い効果が期待できるでしょう。

運動も文明病を撃退するうえで欠かせないファクターであることから、両者を組み合わせて「天然の自然の中で運動する」ことが最強となります。

これは決して難しいことではなく、自宅や職場近くの公園を20〜30分歩く程度で十分です。

もし可能であれば、睡眠の質向上を狙って午前中のうちに日光を浴びながら散歩できればベストですね。

 

文明病を避けるために実践すべきこと2:良質な睡眠をとる

多くの現代人は睡眠の量・質ともに不足しています。

まず、睡眠の量に関しては、1日7時間睡眠を目安にしてください。

短い睡眠時間でも全く体調に問題がないショートスリーパーの方も稀にいますが、普通の方は7時間睡眠を目指しましょう。

最低でも1日6時間を死守する必要があり、このラインを下回ると翌日の生産性が劇的に下がります。

短い睡眠時間では死亡率が上昇したり肥満になるリスクが増大しますので、1日6時間が最低ラインです。

 

睡眠の質に関してはいろいろ注意点があるのですが、最低限以下のことを守りましょう。

1) 寝る90分前に湯船に15分間入る(40度くらいが適切です)

2) 入浴後はリラックスタイムにする。スマホは触らず読書をする

3) 日中、特に午前中に太陽光を浴びる→夜のメラトニン分泌を促す効果あり

ここまで守れれば睡眠の質を大きく上げることが可能です。

 

睡眠に関しては、以下の『ブレインメンタル強化大全』の書評に詳しく記載しています。

もしよろしければ参照ください。

www.churio807.com

 

文明病を避けるために実践すべきこと3:デジタル断食をする

最後に、デジタル機器を触る時間を少なくしましょう。

最も有効なのは、スマホを触る時間を制限することです。

手持ち無沙汰になるとつい手が伸びるスマホですが、スマホを使う時間が長ければ長いほど不安やストレスが大きくなることが分かっています。

iPhoneであれば「スクリーンタイム」などの使用時間管理ツールがありますのでぜひ活用しましょう。

個人的な意見としては、せいぜい1日2時間以内にすべきだと思います。

1日5時間〜6時間という方は完全にアウトですね。スマホに脳が毒されてしまっています。

テクノロジーは人間がコントロールしてうまく活用しなければなりません。

テクノロジーに人間の脳が支配されてはいけないのです。

スマホは多くの人の生活を劇的に改善させたものすごく便利なデバイスですが、便利だからこそ依存しすぎず、一定の距離感を保ってうまく付き合うことが重要です。

不要なアプリは全て削除し、通知を全てオフにして、スマホに支配されない生活を取り戻しましょう。

 

デジタル断食に関しては、『スマホ脳』という本もおすすめです。

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まとめ

現代人の多くの方が無自覚のうちに文明病に罹患しています。

その程度には個人差がありますが、今後ますますテクノロジーが発達する世の中を迎えるにあたり、その適切な対処法を学んでおくことには価値があるでしょう。

 

【おすすめ本】

本記事でご紹介した『最高の体調』と合わせて、『ブレインメンタル強化大全』と『スマホ脳』を読むことを強くおすすめします。

ブレイン メンタル 強化大全

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  • 作者:樺沢紫苑
  • 発売日: 2020/09/03
  • メディア: Kindle版
 

 

スマホ脳(新潮新書)

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こんな記事も書いています。

『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んで、負債ではなく資産を買い続けることの重要性を学びましょう。 

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インデックス投資の初めの1冊に、水瀬さんの『お金は寝かせて増やしなさい』をおすすめします。

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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ

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