復活への一歩へ

内科医

 今年のゴールデンウィーク,次女夫婦が孫を連れて帰省してきました.すでに生後6ヶ月を超え,よく笑いよく動き,まだ言葉にはならないながらも一生懸命声を出していましたが,先日LINEで送ってきた動画には見事に寝返ができるようになり得意げに笑う彼の姿がありました.今や彼の一挙手一投足が皆を和ませ,まさに我が家のアイドルとなっていますし,子供の成長する姿は神秘と驚異に溢れていると改めて感じます.
 孫には次女の170㎝9頭身のスタイルと癒し系の性格,旦那さんの行動力と抜群の運動神経が優生遺伝してほしいと思うのは贅沢でしょうか.ただ,とにかく片時もじっとせず動いている姿に皆からは「それは誰かの隔世遺伝に決まってるでしょ」と言われる始末です(笑)

 さて,例によってコロナですが,先週末までに私もスタッフもファイザー製のワクチンの接種を2回終了し,とりあえずホッとしています.
 スタッフの多くは腕の痛みや発熱,倦怠感を訴えていましたが,私は2回目も軽い接種部痛くらいで発熱や倦怠感もほとんどなく,これまたカミさんからは「あんたは宇宙人?」と😅

 当院も少しでも社会貢献すべく,かかりつけの方のみですが,5月17日から開始しました.

 ただ前回のblogでも述べましたが,行政側の混乱に巻き込まれたこともあり,ここまでこぎつけるのにもひと苦労でした.

 その上,接種後は副反応に備えて背もたれのある椅子で最低15分の経過観察,1アンプルは6人分で冷蔵保存では5日間まで,開封後は6時間以内に使用,3週間の間隔で2回接種,まれとは言えアナフィラキシーショックの可能性にも備えてアドレナリンや酸素ボンベ等をスタンバイ,など,種々気を遣います.

 さらにインフルエンザなど他のワクチンと異なり卸さんに直接注文はできないため,必要分のみネット経由で行政に配給を依頼すること,接種毎に接種券のバーコードをタブレットで読み取って報告することなども必要ですし,キャンセルが出たら破棄はもったいないので6時間以内に打てる希望者を探さなければなりません.

 このようにとにかく面倒なことが多い上,ファイザーのワクチンは使用前の調合にちよっとしたコツが必要で,看護師全員に医師会の集団接種会場に見学に行ってもらいました.

 そんなわけで通常診療の時間内に多くの患者さんを診察しつつ片手間にワクチン接種をするわけにもいかず,とりあえず1日の接種人数をワクチン1バイアル分6人のみとし,月曜日から金曜日,午前診終了12時ころにまとめて来てもらい接種する体制としました.

 とりあえず今後3ヶ月間に設けた180人の予約枠は優先接種の高齢者を中心にあっという間に埋まってしまいましたが,1週間少しやってみて分かったことは,やはりスタッフの負担を考えるとこれが限界だということです.
 希望されるかかりつけ患者さん全員を受け付けることは到底無理で心苦しい限りですが,集団接種会場やまだ空きのある他の医療機関に案内しています.

 神戸市は各区で集団接種会場が設けられており私も出務していますが,東京や大阪等では大規模接種会場ができて数万人規模の接種が始まりました.

 やはり個々の小規模医療機関だけでは限界がありますので,ワクチン接種で世界に一歩も二歩も出遅れている我が国としては,こういった大規模接種会場をもっともっと作ること,そして最近は歯科医師も打ち手に加わるようですが,筋肉注射は静脈注射よりよほど簡単なわけですから,看護師はもちろん,薬剤師,救命救急士などメディカルスタッフを総動員して,1日でも早く1人でも多くの人に,特に労働人口の中核を担う若い人たちにもできる限り早急にワクチン接種が行き渡ることが,何よりも重要ではないかと思います.

 来年の今頃,コロナが収束し,今や完膚なきまでに打ちのめされてしまった我が国が復活への日々をしっかりと歩み始めていることを祈らざるを得ません.


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Source: Dr.OHKADO’s Blog

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