Q: 激しいアレルギー反応のアナフィラキシーが起きるのも、女性が多いと聞きます。どの程度なのでしょうか。
A: 厚生労働省によると、5月16日までに新型コロナウイルスのワクチンに対して激しいアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こした146人のうち135人が女性でした。約9割が女性ということになります。同日までのアナフィラキシーの発生頻度は、人口100万人あたり24件で、5月2日時点の29件と比べ17%減になるなど、接種回数が増えるにつれて頻度は減る傾向にありますが、女性が大半をしめる点は変わっていません。
アナフィラキシーが女性に多い理由は、ほかの副反応と同様、もともとの免疫力が強いことがあげられますが、それと同時に、ワクチンの成分などとの関係を指摘する見方もあります。
ファイザー社製のワクチンの場合、ワクチンの主成分を保護するためにポリエチレングリコール(PEG)という物質が使われています。PEGはスキンケア用クリームなどの化粧品にも使われていますが、厚生労働省はPEGに対して重いアレルギー反応を起こした経験があるひとには、接種を推奨しないとしています。また、PEGと構造が似たポリソルベートに重いアレルギー反応を起こしたことがある人も、専門医に相談した上で判断した方がいいとされています。
女性の方がワクチンによる副反応が起きやすいとは言え、ほとんどの副反応は数日でおさまっています。またアナフィラキシーの起きる頻度はまれで、適切な措置をすれば、大事には至りません。ご自分の年齢や持病の有無、新型コロナウイルス感染症によるリスクを考慮し、メリットとデメリットのどちらが大きいかを比較した上で、ワクチン接種を受けるかどうかを判断なさって下さい。
まず日本国内で一般的なインフルエンザワクチン接種などで行われている皮下注射と異なり、今回の新型コロナワクチン接種は筋肉内注射で行われていることに注意が必要です。すなわち挿絵の通り、筋肉内血流は皮下脂肪組織と比較して格段に多いため、深く注射するほど血管内に入る確率は高くなります。しかし静脈注射可能な薬剤以外は、一般的に血管内に直接入ると急激な作用で循環器系変動リスクが高まるため、血液の逆流(逆血)ないことを確認することは必須とされています。
次に一般的な欧米諸国人と比べて、日本人は皮下組織、筋肉組織ともに比較的少ない人が多く、特に女性や高齢者ではその傾向が強いです。そのため同じ注射針で同じ深さまで差し入れると血管に当たる場合が多くなり、アナフィラキシーなどの薬物アレルギーの発生リスクは高くなります。
したがって、これまでのインフルエンザワクチン接種などを毎年安全に受けていた方々で、様々なアレルギー、喘息やじんましんなどを何も経験していない場合でも、今回の新型コロナワクチン接種では細心の注意をして受けることが最良と思われます。
キタ・クリニックのページよりhttps://kita-clinic.jp/column/%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87covid-19%E3%81%AB%E9%96%A2%E9%80%A3%E3%81%97%E3%81%A6%E7%8F%BE%E5%9C%A8%E5%88%86%E3%81%8B-25
Source: 身体軸ラボ シーズン2
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