一家に2人、がん患者は要らない。

毎年この時期が来ると、気持ちが落ち着かない

7年前、母の残された命の時間と
向き合っていた頃だからだ

何度思い返しても、
後悔と葛藤が押し寄せてくる

「あれでよかったのか...」
「もっとこうしていれば...」
「いや、それでよかったんだ...」――

『日本人の2人に1人ががんになる』

そう言われて久しい

これだけ増えているがん罹患者

もう少し罹患率が上がっているような気もしてくる

私の家族は4人

そのうち、母と私ががんになり、
見事に“2人に1人”のデータ通りとなったわけだ

  が、あと2人の家族が
  がんにならない保証はない

がん患者本人が大変な思いをするのは、
誰もが想像できる

手術をし、つらい抗がん剤治療をし、
時に死を感じ、再発の不安を抱え...

が、その家族も同じように病と闘うことになる

それは、私自身ががんになって、
初めて知ったことだった

実際、“がんサロン”は、
患者本人だけではなく家族も参加できる場所

これまでも何人ものご家族が参加されている

そもそもがんは、

“患者と家族、そして医療側のみんなで向き合い、
 闘っていきましょう”

というものらしい

家族の協力も必要不可欠なのだ

が、我が家のように、
家族に2人もがん患者がいると
なにかとギクシャクするもの

私は私でつらいことがある

母は母でつらさがある

「お互いわかりあえる」

そう思った私が甘かった

結局私は、
母を一番に考えなければならなかった

こぼしたい愚痴も我慢し、体調の悪さも口にできず、
母の愚痴につきあった

「私、がんなんだからね!!」

と、キレる母に、心の中で、

『私もがんなんだけど...』

そう呟くしかなった

そんなこんなで、
私はがんサロンに逃げたのだろうな...

サロンに行っていることを隠していたのが
なによりの証拠だろう

サロンが逃げ場であり、
唯一、愚痴をこぼせる場だった

そしてそこには共感があり、
私を否定する人は誰もいなかった

がん患者を家族に持つと、
大変なことが多いようだ

がんサロンに参加されるご家族が、

「本人の気持ちがわからない」
「どうしてほしいのかわからない」

と、
がん患者の思いを知りたくて参加されるケースが多い

そういう意味では、私自身ががん患者

母の思いは手に取るようにわかっていた

そして、母の病状も

哀しいことだが、母の最期もだ

「あのときこうしていれば...」
「あのとき、ああしていれば...」

その後悔は、きっと一生持ち続ける

が、母にはどうしても、
余命を悟られるわけにはいかなかった

これまで通りの態度で、
これまで通りの対応で、
付かず離れず

それは時に酷でもあった

抱きしめたいのに、抱きしめられない思い

手を握りたいのに、握ることができない歯痒さ

そして、母の目の前では
ぜったい泣いてはいけないという覚悟...

“後悔しない”って、難しい

が、それは、
そのときそのとき決めた思い

「後悔しない」

そう思って行動した結果

だから、

「あれでよかったんだ...」――

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Source: りかこの乳がん体験記

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