TOKYO 2020

内科医

 ある程度予想はしていたものの,前回の緊急事態宣言の解除からそれほど時間が経っていないにもかかわらず,あれよあれよと言うまに第5波が来てしまい,首都圏や大阪は来月からまたもや緊急事態宣言発令,ここ兵庫県も蔓延防止条例とのこと.
 マスコミは相も変わらず,感染者数や重症者数,医療現場の逼迫,そして飲食店や観光業者の窮乏というお決まりの3点セットを壊れたレコードのように繰り返すばかりですし,すっかり国民の信頼を失ってしまった政府から何ら変わり映えのしない宣言など出されても,もう国民の誰しもが慣れきってしまい,ロックダウンでもしない限り(たとえしたとしても)効果は限定的でしょう.
 はっきりいってもうヤケクソになっている人も多いと思います.

 ただ,ワクチン接種は高齢者世代にはかなり進み,感染者数に占める割合もごく僅かとなっているのを見ると,この危機を乗り切る最も有効な手立ては,少なくとも現時点ではやはりワクチン接種しかないと思いますし,今はとにかく若い世代へのワクチン接種を一刻の猶予もなく進めることが最重要課題と言わざるを得ません.

 さて,そんな中,一年延期された東京オリンピックが,残念ながら大半の競技が無観客という異例の事態にはなりましたが,とうとう開催されました.
 前代未聞のコロナ禍の中での開催については,喧喧諤諤の議論がありましたし,これがコロナ禍において吉と出るか,凶と出るかなど,終わってみないと誰もわからないでしょう.

 ただ私個人としては,4年に一度しかないこの日のために,それこそ人生を賭して血の滲むような努力をしてきたアスリートたちが,オリンピックに参加することを非難されるいわれは何もないと思いますし,たとえ無観客であっても参加する場を与えてあげるべきだと思ってきました.

 そして何よりも,息の詰まるような攻防の末,勝利を手にした時はもちろん,僅差で負けても全力を出し切った時の喜びの顔,安堵した顔,頬を伝わる万感の想いのこもった涙,監督や家族や仲間の号泣する姿,表彰台に掲揚される国旗,少し前までは闘志をむき出して闘った他の国の選手たちにも敬意を表し,柔和な表情で健闘を讃えあってカメラにおさまるシーン,どれもがいつも深い感銘を与えてくれるのです.

 何よりも今回は,ほんの少し前までは開催さえ危ぶまれていただけに,彼等がどれほど不安な毎日を過ごしていたかと思うと,我が事のように胸が締め付けられる気持ちになりましたし,より一層,開催されて本当に良かったと思うのです.

 そして何よりも,長引くコロナ禍で心身ともに疲弊してしまった私たちにとっても,彼等のひたむきな姿が,ひとときの安らぎと,明日への活力を与えてくれているのではないでしょうか.

 今日本は,そして世界は,誰しもが新型コロナウィルスという強敵と満身創痍になって闘っています.
オリンピック選手の活躍に勇気をもらい,私も微力ではありますが,医療従事者として少しでも役に立てたらと思います.
 
 なお,正直のことをいえば,コロナ云々は別としてやはり有観客でやってほしかったと思います.
 実はなんとある競技のチケットが当たっていて,8月上旬に観に行く予定にしていたのです.しかも驚くべきことに長女夫婦も次女夫婦も競技は違いますがチケットを当てていたのです.
 こんなこと滅多になく,日本で夏のオリンピックを行うことなど少なくとも私の生きている間はもうないでしょうから,本当に楽しみにしていたので,誠に残念でした!本当にコロナ憎しです((+_+))
 


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Source: Dr.OHKADO’s Blog

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