『ステージⅣの肺がんであることを公表しました』――
早朝、いつものようにテレビを点けると、
耳に飛び込んできた一報
振り返って画面に目を遣ると、
22年間という長い期間、
朝の情報番組を務められていた、
74歳になる男性キャスターの報道だった
私も毎朝、
出勤前に見ていた番組である
数年前、彼が膀胱がんを患ったことは
まだ記憶に新しい
「今度は“肺がん”? しかも“ステージⅣ”?」
と、驚いた
「重複がんか...
それにしても、“ステージⅣ”だなんて、
膀胱がんで定期的に検査も受けていただろうに、
遠隔転移が見つかる前に
肺がんがわからなかったのだろうか
それとも、進行が早いがんで、
肺に留まっている間は画像には映らなく、
あっという間にほかの臓器に転移し、
その後、原発が
肺であることがわかったのだろうか...」
と、様々な思いを巡らせていた
が、
その後の報道を見ていると、どうやら、
『ステージⅣの肺がん』
ではなく、
『膀胱がんからの肺転移』
らしい
「全然違うじゃん」――
それは、“肺がん”でもなければ、
“ステージⅣ”でもない*
※膀胱がん発覚時、
すでにステージⅣではなかった場合
中には今回の公表を受けて、
『肺がんは、喫煙者に多い』
と、伝えている記事もあった
全くお門違いな報道である
私は乳がんがわかった当初、
「肝臓に転移が認められた」
...という話は、何度かしている
いわゆる、“ステージⅣ”というやつだ
そのとき主治医に、
「おっぱいの手術より先に、
肝臓のがんを消すために抗がん剤治療をします
肝臓にがんがあるけれど、
これは“おっぱいから飛んだがん”
なので、“肝臓のがん治療”ではなく、
“乳がんの治療”をすることになります」
そう説明を受けた
が、私のがん細胞が珍しいものだったため、
「肝臓の影は、
本当におっぱいからの転移か...」
と、その後も何度か検査を繰り返した
その結果、
肝臓に写し出されていた影は
転移ではないことがわかった
そして、
「そんなことで、
抗がん剤を先にする予定だったけど、
とりあえず、
おっぱいの手術が先になった」
と、当時、知人に話したことがある
すると知人は、
「よかったね~、“肝臓がん”じゃなくて。
私の親戚にも肝臓がんになった人いるけど、
本当に大変だったみたいだから」
と、言ってくれたのだが...
世間では、
“たとえ転移であっても
その臓器にがんがあれば、
“その臓器のがん”として
捉えているのだな...”
と、知ったのだ
そのあたりも、まだまだ“がん”という病が
理解されていないところ
そして、
“手術・治療を終え(または治療中)、
数年後に転移したから“ステージⅣ”
という誤解がまだまだ多いのも現実だ
『ステージ(病期)』とは――
がんの進行度を表す分類で、
最初に発生したがんの大きさ、
周囲のリンパ節への転移の有無、
離れた臓器への転移の有無で決められるもの
※術後の病理検査で
ステージが変わることもある
“ステージⅣ”と
“再発・転移がん”の5年生存率も、
当然違ってくる
そして彼はこう語っていた
「最初にがんがみつかったとき、医師に、
“切除した方がいい”と言われた
が、“切りたくない”という思いから、
たくさん調べてたくさん勉強をして
ほかの道を選んだ
そして結局転移した
あのとき、
ちゃんと医師の言うとおりにしていたら、
こうはなっていなかった」
そこには少しの後悔
(いや、“たくさんの後悔”かもしれない)
そして、
「がんを克服するためには、
しっかりと標準治療を受けるのことが大切」
そんな強いメッセージを感じるのだ
人間、「できれば切りたくない」と思う
「抗がん剤も受けたくない」と思う
切らずに、つらい副作用のない治療...
と、誰もが思うだろう
が、
“がん”は、まず切除
悪いところを取り除いて、
薬物療法で目に見えないがんをやっつける
それは芽を出させないため
最初に徹底的にがん細胞を叩いておくことが
重要なのだ
『がんはそんなに甘くない』――
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Source: りかこの乳がん体験記
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