一度、“乳がん”になったら、
きっと一生背負ってゆくものだと思う
身体にも影響が残るし、
諦めたこともあるから
もちろん、再発の不安は
消えることはないと思う
特に乳がんは、20年経っても
再発することもあるから
手術の傷が疼くたびに、
“乳がん”という現実に引き戻されれば、
重い物が持てないとき、
“乳がん”という現実を思い知る
術側の腕の保湿に気を遣い、
怪我をしないように気をつける
引っ掻き傷をつくらないように気を遣えば、
洋服の締めつけにも気をつける
．．．そんな毎日
乳がんになったことを
なかったことにもできなければ、
忘れることなんてできるはずがない
逃れることもできない
“休日”があればいいのに
『乳がん休日』
一日、乳がんのことを忘れられる
一日、全くの健康体でいられる
体調も良ければ、傷の痛みもない
腕も自由に使える――
．．．なんて、無理な話か．．．
今は、患者会やネット、
SNSなどで患者同士がつながりあえる
情報を共有したり、
思いを共感したり．．．
そこには“仲間”という温もりがあり、
“同士”という心強さがある
が、昔の人たちは、
きっと孤独に耐えるしかなかったのだろう
しかも、“死”がすぐ隣にある時代だ
それでも、今、こうしている間にも、
一人で闘っているひとがいるのだろうな
得体の知れない不安に
押しつぶされそうになり、
誰かに縋りつきたい思いを抱えているひとが．．．
それはきっと、誰もが通ってきた道
「独りじゃない。
たくさんの仲間がいる」
そう気づくまでの、孤独な道のり
がんで孤独な思いを抱えるひとが
いなくなりますように――
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Source: りかこの乳がん体験記
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