『がんは、“不治の病”ではない』と言われているが――。

母の命日が近づく

毎年6月はつらい時期だ
「がんは、“治る病”ではないのか...」

と、
再発した母の
甲状腺がんの治療法がないことに、
どれほど虚無感を抱いたか...

進んでいるはずのがん医療

それでもこうして、
ただ死を待つだけの空虚な時間

なにもできない無力さ

そして目の前には、
命の期限がすぐそこに迫っていることを
知らない母がいる

私が乳がんになって、
これまでいくつの悲しみを味わってきただろう

何人の仲間を失っただろう

そのたび、

「がんは治る病気じゃないのかよ!!」

そう心の中で叫んだ

そして、

「これが現実なんだ...」

と、思った

いくらきれいごとを並べても、
結局、こうして奪われてゆく命

『いつかがんは治る病になる』

そんな希望を抱いてきた

が、時折、
その希望は
夢で終わるような気がするのだ

たぶん、

きっと、

私が生きているうちは、
その夢は現実にはなりそうもない

もう仲間を失いたくない

もう、悲しい思いはしたくない

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Source: りかこの乳がん体験記

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