私たちの生活に溶け込んでいる「デトックス」という言葉。よく耳にする「汗をかいてデトックス」の真相を科学者が検証しました。#ナショナルジオグラフィック #Yahooニュースhttps://t.co/hsqEqbZ6Ru
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) August 14, 2022
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人間が汗をかくのは体温を下げるためであって、老廃物や有毒物質を排出するためではない。その役目を負うのは腎臓と肝臓で、大部分は尿として排出される。もちろん、都市伝説の中にも一粒の真実はあるものだ。この場合も例外ではない。汗の成分の大部分は水とミネラルだが、様々な種類の有毒物質も含まれている。
では、汗の中にはどれほど有害な物質が含まれているのだろうか。
ほとんどの汚染物質に関しては、その量はあまりにわずかで、あってもなくても変わらないと、先の研究を率いたパスカル・インベルト氏は言う。インベルト氏は、カナダ、オタワ大学の運動生理学者で、体脂肪に蓄積する汚染物質を研究している。
これらの物質は「残留性有機汚染物質」と呼ばれ、農薬、難燃剤、そして現在は禁止されているもののまだ環境中に残っているポリ塩化ビフェニル(PCB)などがある。食品や環境中にある「毒」と一般に考えられているが、脂肪に引き寄せられる性質があり、ほとんどが水分の汗には溶けにくい。
インベルト氏と研究仲間が調べた結果、普通の人が1日45分間の激しい運動を行ったとしても、1日の発汗量はせいぜい2リットルほどだった。これには、運動していない平常時の発汗も含まれる。そして、それだけの汗をかいても汚染物質は0.1ナノグラム以下しか含まれていない。言い換えると、「普段の食生活で体内に取り込む汚染物質のうち、汗で出る量は0.02%に過ぎません」と、インベルト氏は言う。さらに運動を激しくしたとしても、0.04%程度までしか増えない。つまり、どんなに大量の汗をかいたとしても、その日体内に摂取した汚染物質の1%すら排出できないということだ。
ただし、ほとんどの人々の体内にある農薬やその他の汚染物質の量自体、極めて微量であるということも覚えておいてほしい。分析化学者の功績により、今では1 兆分の1グラム単位まで物質を検出できるようになった。でもだからといって、そのわずかな物質がすぐさま有害であるとか、減らせば健康に良いといった話にはならないと、カナダ、マギル大学の化学者ジョー・シュワルツ氏は言う。
シュワルツ氏は、カナダ、マギル大学の科学社会事務局長を務めている。科学に関する都市伝説を検証する同局には、医療詐欺やエセ療法に関する問い合わせが山のように寄せられているという。そのなかには、体のデトックスをうたったものも多い。
「どの程度の量かということは、常に問うべきです」と、シュワルツ氏は言う。「汗を分析すると多くの物質が見つかりますが、化学物質があるからと言って必ずしも危険なわけではありません」
広く利用されている除草剤成分が、多くのアメリカ人の尿から検出された。アメリカ疾病対策予防センターの調査によると、2310人の尿サンプルの80%以上から、「ラウンドアップ」の有効成分であるグリホサートが検出されたという。
グリホサートは特定のがんのリスク上昇に関連している可能性があるが、さらなる調査が必要だ。化学物質は害虫の駆除、雑草や菌類の防除、農作物の収穫量の最大化など、さまざまな目的で使用されている。人が口にする食品にそれらが含まれていても驚くようなことではない。グリホサートという除草剤の有効成分も、そのひとつだ。それがアメリカの人口構成を代表する調査参加者の80%以上の尿から検出された。この調査はアメリカ疾病対策予防センター(CDC)が、2013年と2014年の国民健康・栄養調査(National
Health and Nutrition Examination
Survey)で収集した2310人のデータ(そのうちほぼ3分の1は6歳から18歳の子ども)を分析したもので、その結果が2022年6月に発表された。グリホサートは史上最も広く使用されている除草剤
カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の2017年の研究によると、グリホサートの使用は1990年代以降、少なくとも15倍に増加している。
ラウンドアップを生み出した農薬会社であるモンサント(Monsanto)社は、農家がラウンドアップを畑全体に散布しても作物が枯れないように、この化学物質に対する抵抗を持つ遺伝子組み換え作物を作り始めた。それが1990年頃だったのだ。ラウンドアップは、遺伝子組み換えでない小麦やオート麦を収穫前に乾燥させるためにも使われ、多くの農家が生育期が始まる前に畑に散布している。グリホサートは歴史上最も広く使われた除草剤であるとガーディアンは報じている。世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関は、2015年にグリホサートを「おそらく発がん性がある」成分として分類している。しかし、アメリカ環境保護庁(EPA)は、グリホサートが深刻な健康リスクをもたらすことはないとしている。ラウンドアップに対する裁判の一部を審理した控訴裁判所は、このほどEPAに再考を促した。モンサントを買収したドイツの製薬会社バイエル(Bayer)は、グリホサートは人体に何の危険も及ぼさないという主張を続けてきた。それでも同社は、2023年から住宅用の除草剤に含まれる有効成分を置き換えるとしている。バイエルの広報担当者がInsiderに語ったところよると、CDCが調査した尿に含まれるグリホサートの量は、「閾値(毒性が発現しない最小量)よりかなり低い」という。
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Source: 身体軸ラボ シーズン2
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