肝細胞がんの新しい薬物療法 STRIDEレジメンの臨床試験結果

外科医

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みなさま、おはようございます
2代目ガンちゃん先生です

今日は、
肝臓がんに対する新しい薬物療法の
可能性
のご紹介

現在、日本では6種類の薬剤
肝細胞がんに使用できます

1次治療として
テセントリク+アバスチン
1次もしくは2次治療として
レンビマ、ネクサバール
2次治療もしくは、それ以降として、
サイラムザ、カボメティクス、スチバーガ―

この6種類です

完全な1次治療として君臨しているのは、
テセントリク+アバスチン
なのですが、

この位置に、もう一つ新しい薬剤が登場する可能性が高くなりました

日本で承認されるかについての詳細は、私はまだ深くは知りませんが、
臨床試験が行われ、
その結果、良い結果が出た
のです

その薬剤は、
アストラゼネカ社が持つ
イミフィンジとトレメリムマブの併用療法です
STRIDEレジメン
というらしいのですが・・・

この薬剤の特徴は、
イミフィンジは抗PD-L1抗体
トレメリムマブは抗CTLA-4抗体と言いまして、
どちらも、癌に対する免疫を活性化する薬剤
です

これまで、肝臓がんで承認されてきた薬剤は、
癌の血管新生を抑える抗VEGF薬を基本
としていましたので、
その基本から、初めて逸脱した新しいコンセプトの治療薬剤という事になります

治療の仕方も、興味深く、
トレメリムマブは最初の1回だけ投与
イミフィンジの方を4週ごとに投与する
という方法です

今回の臨床試験はこのSTRIDEレジメンと
ネクサバール単独の二つの群
を比較しましたが、

生存期間でSTRIDEレジメンは16.4ヶ月
ネクサバールは13.8ヶ月と有意にSTRIDEレジメンが生存延長効果を認めるという事

分かりました
ハザード比と呼ばれる、どれくらいこの治療方法が死亡リスクを下げるかの数値に関しては、22%(ハザード比0.78)という結果でした

この結果、そのものは、劇的な効果・・とは言い難いのかなと感じています
ですが、このSTRIDEレジメンの特徴は、
Long tailと呼ばれ、良い方は、効果がぐーっと持続するのではと考えられています

効果が得られた場合、
癌に対する免疫が活性化して、しっかりと腫瘍を抑え続けてくれるという事になります

また、この薬剤の価値は、
先ほど、書きましたが、これまでは抗VEGF薬が必ず入った薬剤でしたので、
抗VEGF薬が使えない、使いにくい場合には、困っていました

代表的な抗VEGF薬の副作用が、蛋白尿です
抗VEGF薬では腎臓に作用して蛋白尿が出る場合があります

一方で、STRIDEレジメンでは
蛋白尿のリスクは低いので、
その様な方々にも使用する事ができます
また、その他の副作用のリスクも比較的少なく、
安全に投与しやすい薬剤なようです

このSTRIDEレジメンが承認されたら
日本で7剤使用できる事になります

治療の選択肢が増えることは、
良い事ですが、
何をどのタイミングで使うべきか、
どんどん難しくなってきています

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Source: ガンちゃん先生奮闘記

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