ブリットル型(不安定型)糖尿病について,最新のレビューを探してみたところ,この文献がありました.
この文献では,まず極端な高血糖/低血糖が発生する原因について,一般論として考えられるものを列挙・分類しています.
4つの類型
そのうえで,ブリットル型糖尿病に至る典型的な類型には下記の4つがあるとしています.
- [A]の心因性は,精神的に不安定な状態から,インスリン投与・食事が乱れてしまう場合などです.
- [B]の併存疾患は,糖尿病以外に他の病気が存在し,その結果として二次的に血糖値の不安定をもたらしてしまうものです.また長年のインスリン注射継続で同じ場所ばかりに注射していると脂肪組織の塊ができてしまい,そこに注射されたインスリンの吸収・全身循環が不安定になってしまうものも含まれます.
- [C]の高齢者1型糖尿病は,加齢により代謝そのものが不安定になり,同じ量の食事・同じ量のインスリンでも 同じ結果にならない場合です.また認知症などにより,インスリン注射の管理ができなくなっている場合も含まれます.
- 最後の[D]インスリン・食糧不安とは,どちらかと言えば医学的問題というよりも,政治・社会問題ですが,政情不安などにより食糧供給やインスリンの提供が途絶えるなどした場合です.
どれであれ『適切に血糖コントロールしていればいいのだ』では解決しない問題です.著者は4つの類型 それぞれに応じた まったく異なる対処法が必要だと述べています.
ブリットル型糖尿病 【完】
Source: しらねのぞるばの暴言ブログ
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