天 職 ~“乳がん界”からの引退~

一度乳がんになると、一生乳がん

逃れたくても逃れられない現実、

忘れたくても忘れられない現実が
そこにはある

「ずっとがんに携わっていく」

「ずっとつらい思いを抱えている人と
 一緒に歩いていく」

「ずっと不安を抱いていいるひとに
 寄り添っていく」

そう決めたはず

が、

そんな現実から逃れたくて、
そんな過去を忘れたくて、

でも、

逃れることも、
忘れることもできない

そこには、“乳がんを経験した”という、
紛れもない事実があるから

患者会やがん啓発運動などに参加して、
最近思う

「そろそろ“乳がん界”から引退かな...」

と...

いや、“最近”というのは
正直違っているかな

もう数年前からそれは感じている

でも、誰かに頼られれば、
力になりたいと思う

活動を頼まれれば、
「私にできることがあるのなら
 お手伝いしたい」と思う

目の前に不安を抱えているひとがいれば
少しでも
その不安を小さくしてあげたいと思う

先日、1月4日に書いた記事、

『“やめる”という勇気。』

  ☆そのときの記事は下記へ

実は、『“乳がん界”からの引退』も
そのひとつなのだ

  ...というより、
  これが一番の懸案事

決心がつかないまま、
ここまで来たが...

「私のあとに次いでやってくれる?」

と、誰かにお願いするのも違う

でもやっぱり私は、

誰かの力になりたい、
役に立ちたい

その気持ちは消せない

私は乳がんになった

“せっかく乳がんになったのなら、
 その世界で生きる”

そんな言い方はおかしいのかもしれない

でも、そんな感覚があるのは否めない

“天職”という言葉がある

  ○生まれつき自分に合った仕事
  ○天から授かった仕事
  ○心から「楽しい」「好きだ」と
   思える仕事

そんな意味がある

その中には、

  ○天から授かったつとめ

という意味も含まれている

がんの活動は、決して“仕事”ではない

が、この活動が、
“天から授かったつとめ”であるとするならば、

もしかしたらこれが
私の“天職”なのかもしれない――

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Source: りかこの乳がん体験記

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