一生剥がれることのない、
“乳がん”というレッテル
もうところどころ剥がれかけて、
ボロボロになってるか
一生消すことのできない、
“乳がん”という肩書き――
名前より、
「あ、あの人、乳がんの人でしょ」
と、まず先に“乳がん”がつく
まぁ、事実だから仕方がない
それに私の肩書きは、
やっぱり“乳がん”
名刺もそれ用に作っている
もう古くて、
何度も作り直そうと思いながら
そのまま．．．
そう決めたのは自分だし、
「それが“使命”かもしれない」とも
感じている
大袈裟な言い方かもしれないけれど
乳がんになって、
やっぱりじっとはしていられなくて、
同じ思いで苦しんでいる人がいたら
助けたいとも思うし、
「独りじゃない。仲間がいるよ」とうことも
知ってもらいたい
吐き出す場所がなければ
いくらでも話も聞くし、
私の経験が少しでも役に立つのなら
いくらでも話す
私と同じ思いはしてほしくないから
がん検診の大切さも
勧めていかなくてはいけないし、
私と同じ思いをしてほしくないから、
きちんと検診も続けてほしい
そう、
検診は、1回だけじゃなくて
続けていくことが大事
きっと、がんを経験した人でなければ
できないことがあると思う
そこにあるのは“がんになった”という事実
どんなに腕のいい外科医でも、
どんなに寄り添ってくれる看護師さんでも、
理解できない“がん患者の心”がある
それはきっと、
がんを経験した人にしかわからない、
繊細な心の中
そして、“共感”――
泣いていた人たちが、
笑顔になっていく姿を見るのは
本当に嬉しい
時間はかかっても、
ひとはきっと明るい気持ちを取り戻せる
そのお手伝いを、少しでもできたら．．．
だから、ずっと、
私の肩書きは『乳がん』――
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Source: りかこの乳がん体験記
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