“死亡率100%”。

『死亡率100%』――

それは、
乳がん5年生存率でもなく、
10年生存率でもなく、

“人間死亡率”

どんなに地位の高いひとも、
いつか必ず死を迎える

  何度も言っているけれど

どんなにお金持ちのひとでも、
必ずいつか死を迎える

  もう何度も言ってきたけれど

だから私もいつか、必ず死ぬ

『「おぎゃぁ~」と生まれたその瞬間から、
 ひとは死に向かって歩いている』

そんな言葉を聞いたことがある

「まぁ...確かにね...」

と、
それだけを考えると、なんだか虚しい

でも、だからこそ、
生きる価値があるのだと思う

乳がんになって気づいた、
すぐ隣にある“死”

「“がんです”と言われただけで、
 こんなにも死を近くに
 感じるものなのか...」

そう思った

「命に限りがあるのなら、
 悔いなく生きたい」

「自分らしく生きたい」

そう思った

「泣いても笑っても同じ一生。
 だったら、
 笑って過ごした方がいいでしょ?」

そう言うひともいる

私も言われたことがある

もちろん、そうだと思う

でも、そうだとも思えない

病気をすると、やっぱりつらい

“がん”なんて病になってしまうと、
治療だけではなく、心までつらくなる

いつもまでも続く、
“再発”という不安に...

終わりのない“完治”という現実に...

どこまでも続く手術の痛みに...

時には
声をあげて泣きたくもなることもある

誰も、泣いて一生を過ごすわけじゃない

笑ったまま一生を過ごすわけでもない

ただ、「楽しみたい」とは思う

泣く時間があってもいい

そのあとにはきっと笑顔になれるから

どう生きるか――

「いい人生だった」

「私らしい生き方だった」

最期にそう思えることが、私の理想

  何度も言ってきたけれど

だからこれからも貪欲に生きていく――

  “がんになったから”って、
  やりたいこと、諦めなくたっていい

  “がんになったから”こそ、
  新しいこと、はじめてもいい

  体調が悪くて今日できなかったら、
  あしたやればいい

  できるときにやれることを
  やったらいい

  突っ走らなくてもいい

  時々休んでもいい

  下を向いても、

  うしろを振り向いても、

  たまに弱音を吐いてもいいのだ

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Source: りかこの乳がん体験記

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