おはようございます。
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあります。
「つみたて投資枠」は今のつみたてNISAの後継制度であり、基本的に長期・積立に適する金融商品にしか投資ができません。
投資の自由度が低いかわりに、大怪我をする心配が少なく、初心者向けの制度といえるでしょう。
一方、「成長投資枠」は個別株もETFも、アクティブファンドも基本的に自由に投資ができます。
新NISAの成長投資枠でオリジナリティを発揮しようとした人の8割以上が、
「素直にオルカンやS&P500買っておけばよかった」
と5年後に悔やむ未来が想像できます。初心者にオリジナリティは不要、王道を行くのみです。
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) November 26, 2023
ところが、「成長投資枠」でオリジナリティを発揮するのはかえって危険であり、10年〜20年後に素直に全世界株や米国株インデックスファンドを買っておけばよかったと後悔する可能性が高いでしょう。
新NISA「成長投資枠」に注意!素直に「低コストで永久保有」できる銘柄を買おう
新NISA「つみたて投資枠」は長期積立に適した商品しか購入できないので心配なし
新NISAの「つみたて投資枠」では、はじめから長期・積立に適すると認可された金融商品しか購入できません。
その大半はインデックスファンドであり、商品選択の幅が狭いため投資の自由度は低いものの、初心者にとってはかえって安心材料となります。
また、投資方法も基本的には「毎月積立」を前提としています。
以下の記事で紹介したとおり、ボーナス設定を駆使すれば「つみたて投資枠」でも実質一括投資に近いことは可能です。
しかし、それはあくまで一部のマニア向けな手法であり、大半の人はオーソドックスに「毎月積立」すればよいでしょう。
新NISA「成長投資枠」では初心者ほど商品選択の自由度の高さに注意が必要
一方、新NISAの「成長投資枠」では個別株やETF、アクティブファンドなどを含め、基本的には自由に投資ができます。
また、以下の表のとおり、一口に投資信託と言っても実は様々な商品があることが分かります。
この中には「明らかに長期投資に適さない金融商品」が混じっていますが、一見すると「低コストインデックスファンドに勝てそう」に見えるのが大きな罠です。
しかも、上の表ではたわらノーロード全世界株式が「ハイリスク・ハイリターンのファンド」と紹介されていますが、本商品こそまさにインデックス投資の王道をいく商品です。
また、一番上のたわらノーロードTOPIXのカテゴリ名だけが「インデックスファンド」となっていますが、TOPIX連動商品だけでは日本株への集中投資となるため、十分ではありません。
このように、「成長投資枠」に関しては情報ソースによって多種多様な内容が記載されており、商品選択の時に注意が必要でしょう。
新NISA「成長投資枠」も複利効果最大化のため「永久保有」できる商品だけ買う
新NISAで成功するためには、以下の原則を守ることが重要です。
1) 非課税期間が「無期限」になるため、長期リターンが高い株式に投資をする
2) コストはマイナスの複利効果を生むため、低コスト商品にだけ投資をする
3) 複利効果を最大化するため、できるだけ「永久保有」できる商品に投資をする
4) 初心者の人は、「つみたて投資枠」「成長投資枠」関係なくインデックス投資に徹する
さらに踏み込めで言えば、大半の人は「つみたて投資枠」「成長投資枠」関係なくeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を買っておけばよいでしょう。
「成長投資枠」で下手にオリジナリティを発揮しようとすると、10年後に「こんなことならはじめからオルカンやS&P500だけ買っておけばよかった」と後悔する可能性が高いです。
自分の投資が正しかったかどうかは10年先にならないと評価できません。
しかし、間違いに気がついた時には自分は10歳年をとっているわけで、複利効果の性質を考えると大きな遅れをとることになります。
まとめ
新NISAの「成長投資枠」に注意しましょう。
下手にオリジナリティを見せると、10年〜20年後に後悔する可能性があります。
初心者ほどインデックス投資に徹するべきです。
【新NISA開始までに読んでおきたいインデックス投資本2選】
1. インデックス投資は勝者のゲーム(ジョン・C・ボーグル)
この本は数あるインデックス投資本の中でも頂点に位置する名著だと思っています。
「インデックス投資万歳!インデックス投資最高!」といった内容が一冊を通じて語り尽くされています。
もちろん、ただの感情論ではなく、きちんとした投資理論に基づいてなぜインデックス投資が他の投資法と比較して優れているのかが解説されています。
インデックス投資から他の投資法に浮気したくなった時、本書を読み返すと投資方針がぶれることが無くなります。
手元において何度も読み込みたい名著です。
2. 敗者のゲーム(チャールズ・エリス)
この本もこれまでに何度読み返したか分かりません。
こちらも内容としてはインデックス投資の優位性をひたすら説いただけなのですが、
「初心者は下手なことをせず黙って市場に居続けろ」
「稀に訪れる稲妻が落ちる瞬間を逃したら市場リターンの大半を取り逃がす」
など、初心者が打つ手はことごとく裏目に出るから何もするなというメッセージが印象深いです。
投資を始めたばかりのころは、少し試してうまくいかないとあれこれ手を出したくなりますが、それがかえって傷口を広げる結果になります。
自分には忍耐力が足りないなという方にぜひ読んでほしい本です。
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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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