お家に帰られて、やっぱり、そこは大切な我が家だ。
患者さんのペースでゆっくりお話を聴ける時間が手に入る。
患者さんの『家』にお伺いする。これほど、大切なことはない。
コチラに本気で聴く気があるならば、
患者さんは、大切な話をして頂ける。
今年に入って、人生の終りが見えてきた。
残念だけど、ガンがアチコチに。
化学療法終了後、在宅医療に繋がった。
愛車の話や、今までのお仕事の武勇伝や、
素敵なご友人の方々との思い出話し、等々、
こんな話が、2時間にも及んだ頃、
大切なお話を始められた。
先生、ホンマな、わし死のう思うとったんや。
病室のな、天井眺めとったらな、、、、
アッチに一つ、ソッチに一つ、コッチに一つ。
輪っかが3つ、点滴台にあるわけや。ほんでな、
紐を探したわけや。無いんよな。病室には、、、
それでもどうしようか、何度も悩んでるとな、
看護師がしょっちゅう部屋覗くわけや。
ここでは、首括れんから、家帰ってやっぱりな、、、
それでも、家でそれしたらな、家が売れんくなるやろ。
やっぱり、昨日来た新車のクラウンのな、中やったら、
嫁さんにも迷惑かけんとな、死ねる思うたんやけどな、、
それがや、こんな体になって弱ってしもうてな、
せっかく買うた新車のクラウン、その中で死ぬどころか、
運転もままならんようになってしもうた。。。
どうすればええ?ワシな、今週死ぬ思うねん。。
と言うか、もう死んでもええ思うねん。
アカンか?安楽死とか都合よく死ねんのか?
死のう思うたんですね。。。
そうかあ、死のう思うたんですね。。。
そうや、死のう思うとったんや。
クラウン運転して、コイツ連れて、
どこか温泉でも行って、
うまいもん食べさせてやろう、
そう思うとったんや。そやけどな、
運転はもう無理や。気力がないわ。
先生、安楽死とかやってえなあ。。。
2時間にも及んだ話はいつの間にやら熱を帯び、
安楽死の話で留まらず、次々とお話が続いていった。
そこからまた、新車クラウンのエンジンの凄さや愛車遍歴の話。
お話がそこからまた30分。大切な友人の車の話にまで。
まだまだ、生きたい希望が湧いてこられた。様に感じた。
お父さん、新車のクラウンで、
近所のマックスバリューまで、
奥様の運転練習付き合ってみたら。
そうか、コイツに運転教えてみよか。
先生、ありがとうな。話聴いてくれて。
ワシ、もう少し、生きてみるわ。
帰りがけに、駐車場を覗いた。
おいてあったブラックの新車クラウン。
メッチャ、カッコよかった。
サイコロジカルヴィクトリー。
終末期リハビリテーション。
手前味噌ですが、ここからです。
どうぞよろしくお願いします。
良かったら聴いて下さい。
毎日読んでいただき感謝申し上げます。
良かったら、2つ共に、一日一回、
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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