『あなたのそばに帰ろう』

医療機関

今週息子さんご家族の家に帰ってこられたお母様。

レビー小体型認知症で、自宅での生活は困難になり、

同居されていた息子さんご家族は介護困難となり、

精神病院に。その後、併設の特別養護老人ホームへ。

 

誤嚥性肺炎を繰り返し、お身体は寝たきりに。

今回の入院を機に、胃瘻を造設され、

いよいよの時期も近いこともあって、

お母様の暮らされた土地からは離れるが、

息子さんご家族の家に帰ってこられた。

 

 

肺炎治療と胃瘻造設の為の入院期間だけでは、

栄養状態改善は難しく、廃用症候群も重なって、

起立性低血圧も出現し、車椅子座位すら困難で、

さらには、仙骨部に大きな褥瘡も出来ていた。

 

この状態で『ザイタク』スタートとなるわけだが、

ここからは、僕らの本領発揮。めっちゃ見せ場❤

こんな場合、在宅医療現場でも時間との勝負。

帰られてからの2週間が、一番大切で勝負所。

入院期間の関わり方を180度変えなければ、

出現した大きな褥瘡は治らない。

場合によっては、そのまま最後へ向かってしまう。

昔からよく言われることだが、

褥瘡治療はチームの力が試される。

 

 

 

金曜日に帰ってこられたので、土曜日に早速訪問入浴。褥瘡は清潔が基本。

入院中は週1だったお風呂を、ザイタクでは訪問入浴を利用して週3回へ。

ケアマネさんが、褥瘡の状態を一緒に診て、すぐ手配してくれた。

この協働が有り難い。このスピード感がイケている。

誤嚥を繰り返されていた方。胃瘻ができたからと言って、唾液誤嚥は続いている。

うつぶせ寝(腹臥位療法)を取り入れることで、誤嚥している唾液の排出を心掛ける。

このうつぶせ寝介助をご家族と一緒に毎日練習する。うちの訪問看護師さんのおかげで、

退院3日目の今日には、ご家族が自主的にうつぶせ寝を取組めている。素晴らしい。

胃瘻に関しては、注入量と注入方法も、介護時間量との関係を見ながら、再調整する。

ここでは詳しくは書かないが、退院3日目にして目途が立ってきた。

このあたりまでほぼ完ぺき順調だ。明日からは、支えるメンバーを増やすため、

訪問看護ステーションの仲間にも入ってもらい、起立性低血圧改善に取り組む。

介護を楽しいものにする為、デイサービスやショートステイを利用してもらいたい。

この起立性低血圧が改善しなければ、利用は難しい。暮らしを諦めない。挑戦だ。

ベッドサイド据え置き式介助用リフト・ティルト車椅子の準備も退院時にしてる為、

積極的に離床時間を確保し、廃用症候群改善目的にリハビリをする。

理学療法の基本中の基本。基本動作の座位訓練を重点的に。

ご家族との自主練の腹臥位療法の効果も相まって、

体幹筋力改善も図れると同時に褥瘡もきっと快方へ向かう。はず。

 

今日は、ちょっと詳し目に書いてみた((笑))。

これからご一緒するチームメンバーに田中流を知ってもらう為、

専売特許で内緒やけどブログに書いた。よろしくお願いします。

 

 

 

家とか、病院とか、施設とか、

そんな場所のことやなくて、

『あなたのそばに帰ろう』って、

お母様が息子さんに話してくれてる気がする。

 

良かったら聴いてください。

 

 

 

 

 

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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」

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