おはようございます。
円安とインフレの急激な進行により、これまでコツコツと貯金だけしてきた人の資産はその実質的な価値が大きく下がっています。
日本円で毎月の給料を稼いでいる日本人は、「日本円という落ちるナイフ」を勝手に掴まされているのも同然の状態です。
これまでに日銀が何度か為替介入を実施していますが、日本と他の先進諸国との金利差という根本が解決していないため、目立った成果は出ていません。
このように、円安とインフレに歯止めがかからない時代においては、預貯金100%こそ最大のリスクであり、オルカンやS&P500などのインデックス投資を一日でも早く開始して自分の資産を守る必要があります。
円安とインフレで預貯金100%がハイリスクな時代に!eMAXIS Slim オルカンや楽天・オールカントリーなどインデックス投資が資産防衛のため必須な理由。
預貯金の最大の敵は「インフレ」と「円安」
「預貯金なら絶対にお金が減らないから安全」と考えている人も多いかもしれません。
日本人は昔から貯金好きと言われますが、貯金が本当に安全なのかについて真剣に考えている人があまりに少ないのです。
確かに、銀行にお金を預けておけば、あなたの預金通帳の残高が減ることはありません。
しかし、安定感抜群に見える現金にも天敵と言える存在が2つあります。
それが「インフレーション(インフレ)」と「円安」です(下図参照)。
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インフレが進む時代に預貯金だけでは対応できない
現金にとって最大の敵がインフレです。
インフレとは、物価が持続的に上昇傾向になることを指します。
バブル崩壊後の日本は「失われた20年」と言われるように、長期にわたって需要が弱く、物価上昇率の低いデフレ状態が続いてきました。
日本国内で長年生活しているとデフレ体質が身についてしまって自覚しづらいですが、実は健全な経済成長のためには2%程度のマイルドなインフレは望ましいものとされています。
インフレがゆっくり進んでいる状態では、商品やサービスがどんどん生産され、消費者が買う量も増え続けるため、それに伴って労働者の賃金も伸びていく好循環が生まれるからです。
ところが、すでに銀行に預けてあるお金にとってはインフレが天敵となります。
物価が上昇すればするほど、銀行に預けてあるお金で実際に購入できる商品やサービスの量はどんどん減っていくからです(下図参照)。
これが預貯金だけでは不十分な最大の理由です。
拙著『世界一やさしい投資信託・ETFの教科書1年生』から引用
円安の進行が日本人の購買力低下に拍車をかけている
預貯金にとってもう1つの大きな敵は円安です。
円安が進行するということは、世界全体の中で円の価値がどんどん下がっていくことを意味します。
たとえば、年収600万円の場合、「1ドル=100円」であれば米国では「年収6万ドル」と評価されます。
しかし、「1ドル=150円」まで円安が進めば、同じ年収600万円でも米国では「年収4万ドル」の評価になります。
実際、米国の平均年収は約65,470ドルとなっており、円安が進行した影響で「1ドル=160円」で計算すると約1050万円になるんですよね。
平均年収が1050万円って日本人からすると驚き以外の何物でもありません。
実質賃金が長期低迷している現状に加え、円安が急激に進行すると、世界市場における日本人の購買力は劇的に低下してしまいます。
将来的には、日本人が世界の一線で活躍する場面が見られなくなり、日本人は日本という殻に閉じこもってずっと生活せざるを得ないといった未来も想定されるのです。
インフレと円安が急激に進行し、資産形成の必要性が高まっている
2021年以降、世界各国でインフレの圧力が強まっています。
インフレ圧力が高まった理由として、
1) コロナ不況に対して世界各国が金融緩和策を強め、世の中の資金が急増したこと
2) 新型コロナ流行によるサプライチェーンの破綻
3) ロシアのウクライナ侵攻による資源や食料調達コストの上昇
などが挙げられます。
2022年には欧米諸国で物価上昇率が9%前後にも及び、急激なインフレに対処するため、米国や欧州各国では大幅に金利を上げて大胆な金融引き締め策を実施しました(下図参照)。
幸い、日本では欧米ほど急激なインフレは見られないものの、2023年〜現在の物価上昇率は約2%〜4%とインフレ圧は確実に強まってきています。
加速する日本のインフレ率、まさかの円高に振れるシナリオとは 日銀の植田新体制が注目する「基調的な動き」、タカ派に転じる可能性も | JBpress (ジェイビープレス)欧米のインフレ率の高止まりが注目される中、日本と欧米のインフレ率格差が縮小しつつある。 約2年前(2021年初頭)からインフレ率の押し上げが見られた欧米に対し、日本のインフレ率が加(1/4)
「1ドル=160円」時代の資産防衛術を真剣に考えよう
また、2022年以降、急速に円安が進行し、今では「1ドル=150円〜160円」が当たり前になりました(下図参照)。
円安の原因の1つが、日本と米国、欧州の先進諸国の金利差です。
上で述べたように、極端なインフレを抑制するため、米国やユーロ圏の国々では急速に金利を上げて金融引き締め策を実施した一方、日本は景気悪化の不安などから金利上昇に踏み切ることができませんでした。
それにより、日本と米国や欧州各国との金利差が拡大したのです。
世界の基軸通貨である米ドルの金利が円よりはるかに高い状況では、円を売って米ドルを買う流れがどんどん加速します。
今後、日本が金利を急激に上げ、日米の金利差が縮小すれば円高に戻る可能性もありますが、両国経済の体力差などを考えると長期的には円安のトレンドが続く可能性が高いでしょう。
この状況で自分の資産を守るには、ポートフォリオ内で預貯金や債券、株式などアセットを分散するだけでなく、円資産、ドル資産、ユーロ資産など通貨も分散することが重要です。
通貨の分散と聞くと難しく感じますが、オルカンに投資すれば世界各国の外貨建て株式に広く分散投資ができるので、それだけで十分と言えます。
まとめ
円安とインフレが急激に進む時代では、預貯金100%こそ最大のリスクになります。
日本人は毎月の給料を日本円で受け取っていますが、その実質的な価値は5年前と比べて約2/3になってしまいました。
一日でも早くオルカンやS&P500など外国株投資を始めて自分の資産を守りましょう。
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