おはようございます。
2024年3月から投資信託のクレカ積立の上限が毎月10万円に拡大されました。
毎月10万円に投資枠が拡大されたのは素晴らしいことですが、それと同時にSBI証券やマネックス証券などの一部の金融機関ではポイント還元サービスの改悪もありました。
クレカ積立を利用する機会が最も多いのは、今年から始まった新NISAの「つみたて投資枠」だと思います。
ポイント還元改悪をきっかけに、楽天証券やauカブコム証券など他社へNISA口座乗り換えを考えている人もいるかもしれません。
その場合、口座乗り換えの適切な時期や方法を知っておくことは大変重要です。
本日はNISA口座移管の情報についてまとめます。
新NISAの口座移管手続きの流れ。SBI証券のクレカ積立改悪で楽天証券に乗り換える人は、今年10月〜12月がおすすめ。保有済の投資信託やETFの移管はできないので注意!
SBI証券のクレカ積立改悪で、三井住友カードがクレカ積立専用の人は乗り換え必至
クレカ積立のポイント還元サービスに関しては、2024年11月以降、SBI証券が大きな改悪となります。
特に、三井住友カードを「クレカ積立専用カード」として使っている人には致命的な改悪です。
利用者が多い「三井住友カード(NL)」や「三井住友カード ゴールド(NL)」の場合、年間カード利用額が10万円未満だと、投信積立のポイント付与がゼロになってしまうからです(下の表参照)。
この「年間カード利用額」には投信積立の利用額が含まれませんので、通常のショッピングなどで利用する必要があります。
SBI証券 スマートフォンサイト|―口座開設ページ:ネット証券最大手の証券会社。オンライントレードでの投資をしっかりサポート―
三井住友カードをメインカードとして利用している人は乗り換えの必要はありません。
しかし、三井住友カード ゴールド(NL)で従来通りの1.0%還元を得るには、投信積立以外で年間100万円以上使う必要があり、けっこうハードルは高いですね。
他の金融機関は「年間カード利用額」がポイント付与条件に含まれていないので、気になる方は楽天証券などに乗り換えた方がよさそうです。
新NISAの金融機関変更手続きは10月〜12月の間がおすすめ
新NISAの金融機関変更はもちろん可能です。
ただし、同じ年に2つの金融機関のNISA口座を利用することはできないので、年単位で変更することになります。
ここでいう年単位とは、ある年の1月1日から12月31日までの1年間を指します。
たとえば、2024年に一度でもNISA口座で買付を行っている場合、2024年のNISA口座は他社に変更できません(下図参照)。
その場合、2024年10月1日以降に金融機関変更手続きをすることで、2025年から別の金融機関に変更することができます。
翌年1月からスムーズに新しいNISA口座を利用するためには、前年の10月〜12月に手続きするのがよいでしょう。
拙著『世界一やさしい投資信託・ETFの教科書1年生』から引用
うっかり口座移管手続きをし忘れて、2025年に入った後に一度でもNISA口座で商品の買い付けをしてしまうと、2025年中は他社への移管はできなくなります。
タイミングがけっこうシビアなので気をつけてください。
NISA口座変更には「勘定廃止通知書」の提出が必要で日にちがかかる点に注意
NISAの金融機関を変更するためには、今のNISA口座がある金融機関へ連絡し、「勘定廃止通知書」を発行してもらいます。
乗り換え先の金融機関でNISA口座開設手続きを行い、その時に「勘定廃止通知書」を提出します。
NISA口座は1人1口座しか保有できないルールがあるため、以前の金融機関の非課税口座が廃止されていることを確認する必要があるのです。
その後、税務署の審査などが完了すると、新しい金融機関にNISA口座が開設されます(下図参照)。
https://www.a-tm.co.jp/top/securities/nisa/account-change/
勘定廃止通知書が交付されるまでや、乗り換え先金融機関でのNISA口座開設手続き、その後の税務署での審査に2週間程度日にちがかかる可能性があります。
年末ギリギリではなく、できれば10月〜11月中には手続きを済ませておきましょう。
すでに保有している投資信託やETFは乗り換え先のNISA口座に移管不可能
金融機関変更時、以前のNISA口座で保有していた商品を乗り換え先のNISA口座へ移管することはできません。
2024年はSBI証券で新NISAを使い、2025年から楽天証券に乗り換えるケースを考えてみます。
その場合、2024年にSBI証券のNISA口座で買った商品はそのままSBI証券に残ります。
2025年からはSBI証券のNISA口座では新規買付はできないので、商品を売却して現金化するか、売らずにそのまま非課税で運用し続けるかのいずれかを選ぶことになります。
このように、NISAの金融機関手続きは煩雑であり、あまり頻繁に行うと様々な金融機関に少額ずつNISA口座の資産が分散されてしまうため、資産の把握や管理が難しくなります。
NISAに関しては、できるだけ1つの金融機関を使い続けるのがよいので、初めの選択が大事になります。
まとめ
新NISAの口座移管手続きの流れや注意点について解説しました。
2024年11月以降、SBI証券のクレカ積立のポイント付与条件が改悪されるため、楽天証券など他社に乗り換え予定の人はタイミングに注意しましょう。
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