おはようございます。
今年に入ってから一段と円安が進み、「1ドル=160円」前後で推移しています。
米ドルが強すぎると考えている人もいるかもしれませんが、実際にはユーロ、英ポンド、オーストラリアドル、中国元など全ての主要国通貨に対して円安が進んでいます。
1ドル161円を突破し、急速に円安が進んでいます。
「米ドルが強すぎるせい?」と一瞬考えてしまいますが、実際はユーロ、英ポンド、オーストラリアドル、中国元の全てに対して円安になっています。
結論としては、「円の価値が急速に落ちている」だけですね。 pic.twitter.com/Cu2xdQtoFF
— ちゅり男/医師・投資ブロガー (@churio777) July 3, 2024
「日本円の一人負け」「日本円が弱すぎるだけ」というのが真実です。
また、円安進行時に何度か為替介入が実施されましたが、その効果は一時的なもので、円安を食い止める十分な効果はありません。
国が為替レートを操作するという行為を何度も繰り返すと、日本の国際的信用力低下につながるのではないかと危惧しています。
【超円安時代】弱すぎる日本円に対して為替介入の効果乏しく、日本の新興国化が進む。投資家はオルカンで世界中の通貨へ分散投資し資産を守れ!
日本円の価値は米ドル、ユーロ、英ポンド、ウォン、中国元の全てに対して低下
今年に入ってから一段と円安が加速し、「1ドル=160円」前後で推移しています。
為替と聞くと「ドル円レート」にばかり注目が集まりますが、実は日本円は他の主要国通貨の全てに対して円安が進んでいます。
以下は米ドル、ユーロ、英ポンド、韓国ウォン、中国元と日本円の過去5年間の為替レートの推移です。
米ドルや英ポンドに対しては30%以上、一番マシな韓国ウォンに対しても20%くらい円安が進んだことになります。
つまり、「米ドルがやたら強い」というのは不正解で、「日本円が他国通貨と比べて弱すぎる」というのが真実です。
賃上げの勢いは円安の勢いに全く追いついていないため、世界全体で見た場合、日本人の購買力は過去5年で急速に落ち込んだことになります。
為替介入の効果は限定的。頻繁な介入は日本の国際的信用力低下、新興国化を加速させる
急激な円安を牽制する目的で、2022年から政府、日銀は何度か為替介入を実施しています。
為替介入直後は「1ドル=5円程度」円高に進むのですが、その効果は一過性で、長期的な円安トレンドは変わっていません。
以下は過去1年のドル円チャートですが、ある日急に円高に進んでいる箇所が「為替介入実施ポイント」ですね。
日本と他の先進諸国の金利差という根底が全く変わっていないため、一時的に為替介入してもその効果が長続きしないのは当然と言えるでしょう。
また、「為替レートを頻繁に操作する国」というイメージが定着してしまうと、国際社会における日本の信用力が大きく低下するのではないか危惧しています。
日本の新興国化に拍車をかける行為のような気がしてしまうのです。
日本円100%はハイリスク。オルカンなどを通じて他国通貨にも分散を
ここまで、「日本円が他国通貨と比べて一人負け状態であること」「為替介入の効果は一過性のもので、長期的な円安トレンドが変わっていないこと」を解説しました。
日本人としては危機感を感じざるをえない状況ですが、為替レートに関して私たち個人レベルではどうすることもできません。
現状を受け入れたうえで、私たち個人投資家ができることといえば、「弱い日本円だけでなく、他国の通貨にも広く分散しておくこと」でしょう。
円安は外国人投資家の日本株買いにつながっているため、古くから日本株投資をしている人は、日経平均爆上げの影響もあり、資産を増やせているかもしれません。
一番被害を被っているのは、「コツコツ真面目に働いて貯金だけ積み重ねてきた人」ですね。
知らない間に円安の被害者にならないために、米ドルやユーロ、英ポンド、オーストラリアドル、中国元など主要国の資産にも分散投資をしましょう。
幸い、オルカンを購入するだけで世界47カ国の主要な先進国、新興国に分散投資できる時代です。
預貯金100%の状態ではなく、ポートフォリオの半分くらいをオルカンに置き換えておくだけで、だいぶバランスのよいポートフォリオになると思います。
まとめ
ここ数年で円安が急激に進み、「1ドル=160円」時代となりました。
米ドルだけでなく、ユーロ、英ポンド、ウォン、中国元など主要国通貨の全てに対して円安になっている事実は知っておきましょう。
オルカンなどの外国株にも積極的に投資することで円安による資産減を防ぐことができます。
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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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