だんじりか、医療的精査か。
レビー小体型認知症のお母様。
徘徊等も増え家族と暮らすのは限界になり、
地元の特別養護老人ホームで暮らされていた。
そこで、誤嚥性肺炎を繰り返し、残念ながら、
いよいよが近くなってきたことが想像できた。
いよいよを想定しながらも、いろんな思いもあって、
息子さんご夫婦が自宅に引き取られ近くの施設入所までの間、
一生懸命に、最後の親孝行のザイタク介護に挑戦された。
そんな中でもいよいよが近づき熱発が繰り返されてきた。
症状に対して、適宜応ずることだけでは、家族は不安だ。
先の治療は希望されない中、精査するか否かで悩まれる。
大切なものは、生きがいか、医療か。
今日、医学生らと訪問させて頂いた際、
下がらない熱発に対する今後の治療に関して、
ご本人さんを中心にご家族と僕ら5人で、
検査する、しない、の人生会議を開催した。
結論はこうだった。
9月中旬にある岸和田だんじり祭り。
彼女の人生において、絶対に欠かせないもの。
熱発に対する医療的精査入院より、だんじりが上位。
と言うわけで、症状緩和で対応し、精査は今回は無し。
症状コントロールを優先し、何としてでもだんじりへ。
ザイタクは、双方向のもの。
医療者が見ている世界が全てではない。
患者さんや市民さんの人生観が最重要だ。
いつものように幕が開き、
ザイタクに挑戦する僕に、
届いた知らせはブルーシート。
それでも、喝采を浴びに行こう。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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