穏やかな気持ちになれたわ。ありがとう先生。
約束のない来客があり、その度に穏やかな心が乱される。
心が乱されると、頭の整理が追い付かず、
せっかくの大切な一日が無駄になるそうだ。
彼女は、87歳。一人暮らし。
大切なご主人は認知症で施設暮らし。
私を大切にしてくれた彼より、
絶対に先には逝けないと話される。
彼は認知症であっても彼女の事だけは、
いつも忘れてないそうだ。
彼女が施設に訪問すると、
遠くからでも手を振るらしい。
そんな彼女も、肺高血圧になり、
人生もいよいよのところになってきた。
余命幾ばくも無い私の大切な時間を、
無駄な気持ちの整理にあてたくないの。
だからね、ちゃんとお約束して来てほしいの。
みんな自分のお仕事の書類のサインとか、
ご自分のことしに来てるだけ。あのね、先生。
大切な先生との時間。私にはすごく大切なの。
この時間を、心待ちにしているの。わかる⁈
デーンって座って、ニコニコ笑って、その笑顔。
それで私の他愛無い話ずっと聴いてくれるのよ。
そしたらね、私とっても穏やかな気持ちになるの。
だからこの大切な時間に、先生が来るからって、
勝手に私が居ると見越して、誰も来ないで欲しいのよ。
今日だって、そう。さっきまで、急にね、ケアマネさん。
書類取りに来たケアマネさんに、心乱されちゃってね、
頭が混乱しそうだったけど、、、それでもこうして先生ね、
私の話しばっかり。聴いてくれて。やっと穏やかになってきたわ。
ホント、先生、ありがとう。長いお話を聴いてくれて。
訪問をするということ。と言うか、
訪問をさせていただいている。と言うこと。
僕らはこの根本的な事を忘れてはいけない。
主語はどこまでも、患者さん。僕らじゃない。
そして、訪問する場所は、患者さんのホーム。
今日は彼女に、とても感謝された。嬉しかった。
仕事モードなら、患者さんのお話聴けるんだけど。
プライベートじゃあ、全くダメな僕((笑))。
良かったら聴いてください。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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