”お父さん”

医療機関

年末、両足の麻痺が急に進み、動けなくなった。

人生で初めての全介助状態。彼は途方に暮れた。

 

 

がんで、長い間、治療してきた。

再発し全身のあちこちに転移した。

転移がそのままであるように願って、

放射線治療に挑戦してきた。が、

抗がん剤は希望されなかった。

 

そんな年末、残念ながら、急激に進行し、

背骨の転移が、両下肢麻痺となって表れた。

 

最初の手術から3年半。再発から半年。

人生会議も何度かしてきたつもりだった。

彼や彼のご家族には、突然のことだった。

想像もしてなかった厳しい現実だった。

両足が、全く動かない。自分で動けない。

 

途方に暮れる家族。

もう人生の終わりを覚悟するご本人。

 

 

人生の最終段階に、人生はないのだろうか?

人生の最終段階に、暮らしはないのだろうか?

人生の最終段階に、医療は一緒になって途方に暮れてていいのだろうか?

 

僕らには、

『終末期リハビリテーション』という、

希望の光となる素晴らしい医療がある。

 

 

今週末にお家に帰ってこられることに。

 

今日は、病院で、退院時共同指導。

お家に帰る前に、ご本人とご家族と、

病院の医療関係者と僕らで顔合わせする。

 

 

お父さん、金曜日お家帰れるで。

大好きな奥さんと立派な息子さん、

お家にお父さん連れて帰りたいって。

息子さん、しっかりしてるよなあ。

お父さんが、育てたんでしょ?

 

息子がそんなん言ってくれたんか!

ありがたいなあ、うれしいなあ。

ワシは外で働いてお金持って帰ってただけや。

コイツ(妻)が、立派に育ててくれたんや(涙)

 

 

急性期病院の急性期の変化時から、

患者さんの人生を見よう。

患者さんの暮らしを想像しよう。

そして、終末期リハビリテーションを始めよう。

 

彼と面会後、病室の外の廊下で、担当の一年目病棟看護師さんと、

中堅美人理学療法士さんと、ベテラン地域連携室看護師さんと、

僕で、彼の残された人生について、暮らしについて、

熱く熱く話し合えたことが嬉しかった。

 

 

彼が育てた息子さんを中心に、

ザイタク始めたいと思います。

 

良かったら聴いてください。

 

 

 

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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」

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