昔々、大好きだったお祖母ちゃんが、
夜、寝る前に、お布団に入った僕に、
日本昔話の本を読み聞かせながら、
「章ちゃん、あのね、大器晩成でいいのよ。
ゆっくりでいいの。あんまり急いじゃ駄目よ」
って、よく言ってくれたのを思い出す。
今僕らはザイタクを学ぶ毎日だ。
「お家で暮らす」ということを、
患者さんが毎日教えてくれている。
今日だって、目がほとんど見えない、
半盲の患者さんが教えてくれた。
「お家での暮らし」が見えている。って。
先生な、ワシ娘の近くに引っ越すんやけどな、
おじいちゃんやおばあちゃん、親父やお袋、
彼らがな、お仏壇に手を合わせとった姿が、
ハッキリ今も見えるんや。せやからな、
娘にな、このお仏壇だけはな、今度の家にな、
真っ先に持って行って欲しいって頼んだんや。
こういうことがな、大切や思うねん。
ワシが死んだ後にな、処分はかまへん。
もう性根抜きもちゃんとしてあるさかいにな。
親父らの拝む姿がハッキリ見えとるうちはな。
やっぱり、そりゃ殺生でんがな。せやからな、
娘に、ヨオヨオ、お仏壇の事、頼んだんや。
ザイタク医療を、もっと謙虚に学び続けよう。
ザイタクってことを、ただただ、深く学ぼう。
僕らは、急がなくていい。大器晩成を目指そう。
良かったら聴いてください。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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