NDBデータ解析 [番外編] 血圧の薬

健康法

[カバーイラスト (C) MAMO さん]

前回記事で,「特定健診の血圧測定結果で,高齢者で 血圧の高い人が不自然に減少するのは,薬の影響ではないか」と書きました.

NDBデータ解析 [番外編] 血圧は?
厚労省が公開しているNDB オープンデータ のごく一部を解析した例を紹介しましたが,上記の記事では,糖尿病に関係のある肥満(BMI)と HbA1cの解析だけでしたが,「血圧はどうなっているの?」というメッセージをいただきましたので,下記にま…

そこで,厚労省の第11回 NDBオープンデータ から,レセプトデータをすべてダウンロードし,この記事で述べた 「データの下ごしらえ」をして,MS-Accessに取り込んで 高血圧の薬がどれくらい使われているのかを解析しました.

レセプトデータには,内服薬だけでも12,734種の薬が集計されていました. ただし同じ薬であっても,商品名・薬剤形態や用量が異なるものは別の薬としてカウントされている[★]ので,実際には薬の種類はもっと少ないです.その内「血圧降下剤」「利尿薬」と分類されているものを抜き出し,集計した結果がこちらです.

[★] たとえば 「アジルサルタン10mg錠」「アジルサルタン20mg錠」「アジルサルタン10mgOD錠」などは,それぞれ別の薬として集計されています. これらは成分は同じでも薬価が違うからです.

なお,この集計では,原データに以下の加工を加えています.

  • 商品名ではなく成分名で分類した
  • 配合剤は,もっとも薬価の高い成分を優先して分類した
  • 薬剤は錠剤・散剤など複数の処方単位があるが,すべて「錠」とした

まず,表の一番下の 数字にご注目ください.にわかには桁どりができない数字ですが,82億9千万錠 です.1年間に83億錠もの薬が日本で服用されているのです.いったい日本人の人口はいくらでしたっけ.1日あたりで計算すると;

82億9千万錠 ÷ 365日 = 2,271万錠/日

となります. 毎日 これだけの薬を誰かがのんでいるのですね.しかも「高血圧薬」だけでこれだけなのです.

日本の「高血圧患者」,つまり高血圧で通院している人は 約2,700万人で,その9割に薬が処方されているようですから;

高血圧患者数約2,700万人の9割に治療薬が処方/日本高血圧学会|CareNet.com
日本高血圧学会、医療経済研究機構、東京大学は共同研究として、全国民のレセプトデータであるNDB(national database)の分析により、わが国の医療機関における高血圧性疾患受療者数と治療薬処方数を初めて明らかにし、その内容をHyp…

高血圧薬のほとんどが 1日1回の服用ですから,この膨大な薬の数量と おおよそ符号します

そして,高血圧で通院している人の77.2%は65歳以上 なので,つまりは これだけの薬の大半は 高齢者が服用していることになります.
ですから,特定健診でみられた 「70代になると急に血圧の高い人が減る」という現象は,やはり「薬で血圧を抑え込んでいる」結果であると解釈されます.

  

  

Source: しらねのぞるばの暴言ブログ

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