どうも、ヨウ-P(@s_y_prince)ことYO-PRINCEです!
いろんな切り口からカイゴのヒントをお届けしています!
今日はカリギュラ効果について書いていきたいと思います。
カリギュラ効果とは一つの心理現象なわけですが、結構介護現場にも多い心理現象です!
このカリギュラ効果を逆手にとれば、介護現場の「禁止しないといけない行為」をゼロにはできずとも減らせるかもしれません!
では早速、カリギュラ効果を知って、介護現場をうまく切り盛りしていきましょう!
- カリギュラ効果とは?
- 介護現場のよくある禁止事項『利用者同士の物のやりとり』
- 「出来る限り禁止しない」ことで「禁止しないといけない行為」を減らそう!
- 「責任回避」で「禁止しないといけない行為」を減らそう!
- まとめ
カリギュラ効果とは?
さて、カリギュラ効果とは何なんでしょうか?
カリギュラ効果とは、禁止されるほどやってみたくなる心理現象のことをいう。例えば、「お前たちは見るな」と情報の閲覧を禁止されると、むしろかえって見たくなる心理現象が挙げられる。
※出典:カリギュラ効果 – Wikipedia
こんなこともありますよね↓
◯◯さんな~、職場の人と付き合ってるらしいで~!
誰かは言われへんけど…(^_^;)
え?
そこまで言うたんやったら教えてくださいよ~!
誰なんですか~!
僕寝れませんや~ん!
「教えられない」と言われると、知りたくなるもんですよね(^_^;)
ちなみにカリギュラ効果の語源はこちらです↓
ローマ帝国の皇帝カリグラをモデルにした1980年のアメリカ・イタリア合作映画「カリギュラ」が語源で、過激な内容のため、ボストンなどの一部地域で公開禁止になったことで、かえって世間の話題を惹いたことにちなむ
※出典:カリギュラ効果 – Wikipedia
日本で言えば、分かりやすいのが「鶴の恩返し」や「浦島太郎」です。
「見るな」と言われて、余計に「見たくなる」…。
週刊誌の袋とじなんかも見てしまいたくなり、サイトで「ここからは有料です」なんて書かれていると見たくなるもんです。
世の中は、「カリギュラ効果」であふれています。
これって、禁止してやりたくなってしまうぐらいなら禁止しないほうがいいんじゃないんですか??
それも一理あるような気がしますよね(^^;
禁止してもやめることができないようなことって生活のなかではたくさんあって、いっそ禁止しないほうが効果があることも多いものです。
実は、介護現場ではこの「カリギュラ効果」のような心理現象が多く見られるんです。
なぜなら、介護現場ではそれだけ禁止されることが多いからです!
介護現場で禁止を増やしていくということは、生活の自由を奪っていくということです。
自立を奪っていくということです。
それなのに介護現場に禁止が多いというのはどういうことなのでしょうか!?
まずは、介護現場にどんな禁止があるかを見てみましょう!
介護現場のよくある禁止事項『利用者同士の物のやりとり』
2020年3月現在、介護現場の一番分かりやすい禁止例が、新型コロナウイルス感染対策としての面会謝絶です。
これは、さすがにやむを得ない状況だとは思いますが、この面会謝絶で施設に入居される利用者さんの生活が著しく制限されることは言うまでもないことです。
面会謝絶以外でも、外出禁止や差し入れ禁止などなど、リスク回避の観点から生活が制限されていることは施設ではよくあることなんです。
このように、主にはリスク回避目的で禁止されていることが多いかと思いますが、介護現場の禁止はこの他にも書ききれないほどあります(^_^;)
そんななかで今回取り上げてみたいのが利用者同士の物のやりとりについてです。
利用者同士の物のやりとりは禁止すべき!?
利用者同士の物のやりとりでよくあるのが「飴ちゃん」ですよね(^^;
※関西では「飴」のことを「飴ちゃん」と言います。
飴ちゃんあげよか?
糖尿病で食事制限されている方や誤嚥リスクの高い方に「飴ちゃん」をあげたりされるので困ることが多々あります。
実際に私が体験したケースでは、ユニットで作っていた干し柿をある利用者さんが他の利用者さんにそっとあげてしまい誤嚥なんてことがありました…。
顔面蒼白で発見して、背部殴打法で種が出てきて一命を取り留めたわけです…。
恐ろしいですよね…。
通所サービスでは、「飴ちゃん」どころか、野菜や植物のやりとりがあったり、ときには物の売り買いが行われたりします。
物の売り買いとなると、そのご家族が困られたりしてトラブルに発展することもあります。
このように、利用者同士の物のやりとりはろくなことがありません…(-_-;)
だから、施設は利用者同士物のやりとりを禁止するわけですが、それでもなくなりません…。
「カリギュラ効果」なんですよ…。
浮気をやってしまう人、自粛と言っても花見に行く人、校則違反の制服を着る人、スピード違反をする人、ながらスマホをする人…。
あげればキリないですけど、皆それぞれに「別にいいやん」って思っていることがあって、「別にいいやん」って思っている人は禁止すればするほど「カリギュラ効果」でやってしまうことがあるんです。
どんなことも禁止したところでゼロにはなりません…。
それは、お年寄りであっても要介護者であっても一緒なんですよね。
「利用者同士の物のやりとり」をただ単に禁止したところで、なかなかなくならないものなんです…。
「禁止」って本当に必要なのか…って思えてきますよね。
「禁止」しなくても「別にいいやん」??
利用者同士の物のやりとりの禁止って必要なことなのでしょうか?
その答えは、すべてを禁止にしないといけないわけではないということです。
利用者同士の物のやりとりに限らず、介護現場で禁止していることのなかには、「別にいいやん」と思えることがたくさんあります。
そんな「別にいいやん」ぐらいのことを禁止したところで、「カリギュラ効果」によってその効果はあまり期待できないわけです。
いっそ禁止しないほうが効果が期待できる可能性もあります。
というわけで、利用者同士の物のやりとりは闇雲に禁止するのではなく、以下の二つを心がけましょう。
- 本当に「禁止しないといけない行為」は何なのかを見極める。
- 本当に「禁止しないといけない行為」をゼロにすることではなく、減らすことを目標にする。
そして、この二つを実践していくうちに、私たちがすべきことが見えてきます。
それが、以下の二つです!
- できる限り禁止しない!
- 責任回避!
どういうことか分からないですよね…(^_^;)
説明していきたいと思います!
「出来る限り禁止しない」ことで「禁止しないといけない行為」を減らそう!
まずは、「できる限り禁止しない」について考えていきましょう。
前述のとおり、まずは「本当に禁止しないといけない行為」について見極めていくことになります。
利用者同士の物のやりとりにおける「本当に禁止しないといけない行為」は何なんでしょうか??
- 家で採れた野菜や植物⇒「別にいいやん」
- 家で作った食べ物⇒「食中毒等が心配…物に寄るかもしれないが…禁止すべき?」
- 相手のために購入した物⇒「物によっては別にいいやん」
- 読まなくなった本⇒「別にいいやん」
- 高級な物⇒「悩む…トラブルなければ別にいいやん??」
- その場で食べる物⇒「誤嚥リスクや食事制限がある場合を考えると禁止すべき!」
ざっとこんな感じです。
完全に私の価値観をもとに考えてみましたが、「別にいいやん」って思えることもたくさんあります。
こうなると、仕分け作業がめんどくさいですよね…。
なので、基本は「物のやりとりは禁止」としておいてかまわないと思います。
ただし、それで禁止できるとは思わないようにしておいて、利用者同士の物のやりとりに出くわしたときに都度対応することを心がけます。
そのときの対応は、「禁止しないといけない行為」と「禁止しなくてもいい行為」とに分けて対応するようにします。
まず、「禁止しなくてもいい行為」は、見つけても基本は禁止であることを伝えるだけ伝えて大目にみることにしましょう!
では、「禁止しないといけない行為」にはどんな対応をすべきでしょうか?
禁止なんで絶対しないでください!
こう言ってしまいがちですが、これを言ってしまうと隠れて物のやりとりをする人が増えてしまう可能性があります。
「カリギュラ効果」です…。
さらには、利用者の主体性が殺されていくことにもなりかねません。
ここは職員さんの言うこと聞いておかなあかんのやで!
利用者さんの間でこんな会話が繰り広げられてしまったら最悪です…。
こんなふうにならないためには、禁止する理由を明確に伝えることと、生活行為を奪うことへの配慮を伝えることが大切です。
では、私が禁止すべき行為としている「その場で食べる物」のやりとりについての対応例を見てみることにしましょう!
食べ物のやりとりは、それでのどに詰まったりしたら責任を負いかねますし、中には食事制限をされている方もおられるんです。
お気持ちはすごく分かるんですが、食べ物のやりとりはそういう意味で控えてもらっているのでご理解いただけたら…。
どうしても…ということがあれば相談いただけたらありがたいです。
この対応は、禁止ではないんです。
禁止とは「してはいけないと命ずること」なわけですが、決して命じてはいないですよね。
してはいけない理由を説明し、理解を求め納得を得ようと働きかけています。
これが、「禁止しないといけない行為」であっても、「出来る限り禁止しない」ということです!
「責任回避」で「禁止しないといけない行為」を減らそう!
先に述べた「その場で食べる物」以外の物のやりとりについては、私としては、「別にいいやん」と思いながらも悩んでいます。
禁止するほどではないが、その行為によってリスクやトラブルが起こる可能性があるというものです。
そうした行為については、対象となる物によって判断すればいいと思います。
その物のやりとりによって起こりうるリスクやトラブルをもとに家族に相談しながら対応することをオススメします。
起こりうるリスクやトラブルをもとに家族と相談したうえで、両者の家族が問題なければOKにしてもよいと思います。
このとき忘れてはいけないのが、この一言です。
物のやりとりは責任を負いかねるので原則禁止にさせてもらっています。
どんなことでもリスクやトラブルはゼロではないので、「リスクやトラブルが生じた場合の責任は負わないんですよ」ということを都度言っておいた方がいいと思います。
一度やってしまった方は繰り返しやってしまいますしね…(^_^;)
ちょっと待って!
「別にいいやん」って思っている程度のことでも、結局はリスクやトラブルの可能性があるから禁止するってこと??
ん~…、ちょっとニュアンスが違いますね。
責任を負いかねるので禁止すると言っているだけのことです。
言い換えれば、「施設は責任を負わないが、家族の責任のもとでされるのであればかまわない」ってことですね!
施設としてはあくまで「出来る限り禁止しない」スタンスを貫き通します。
ただ、何が起こるか分からないので、施設としては「責任回避」をしておきましょうということですね。
責任回避をして家族に責任がかかっていくと家族も困られることが多いです。
その結果として、「別にいいやん」程度のことでも、禁止せずして禁止につなげてしまうこともあるわけですが、それは利用者及び家族の選択ということになるわけです。
まとめ
利用者同士の物のやりとりは、施設のなかでなければ問題ないんです。
例えば、デイで出会う利用者2人の物のやりとりは、デイ以外の家や喫茶店なとで行われるのであれば誰にも止められません。
普通のことだからです。
でも、施設のなかになった途端に禁止されてしまう…。
リスクやトラブルの心配があるからです。
この当たり前のようで当たり前でないことをちゃんと理解しておけば、おのずとすべき対応は見えてくると思います。
『カリギュラ効果』…本当に介護現場ではよくあることです。
職員が禁止しても利用者は禁止を守れない…。
利用者が禁止を守れなければ職員の禁止はさらに増していく…。
利用者が禁止を守れないのは認知症だからではありません。
当たり前にやってきたことが施設のなかでは禁止されるなんて普通なら理解しがたいもんです。
介護現場の「カリギュラ効果」は、利用者さんの「普通の暮らしがしたい」という心の叫びなんだと思います。
Source: すべての道は介護に通ず【暮らしかるモダンなブログ】
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