※筆者より【戦国武将の心意気③】

その他

戦(いくさ)に敗れた集団ーーー いわば、武士たちの屍(しかばね)が散乱していた場所には、供養の状況も相まって、それらの御霊たちの念は少なからず残っております。

陣頭を執った“長(おさ):武将”を中心に、一団となって現れた武士たちとの対話が、夕刻の迫る中、静かに始まりました。

わたくしは、どのような霊魂も、強制的に天へと引き上げてしまうことはまずありません。

少なくとも、こうした古戦場のような場では、負け戦を喫した武士たちの積年の想いが山ほどあるはずで、それらの思いを汲み取りつつ、転生へ向けてどのようにしていきたいかということを、ご当人の御霊へ直接お尋ねするのです。

御霊にもよりますが、混乱のさなかに非業の死を遂げ、また、相手に敗れて無念を強く思った御霊は、先日の記事【ご質問への回答:急死された魂は、無事に旅立てるか】と同様に、身を取り巻く世界は“真っ暗闇”で、自分の周りの状況を理解できていないことが往々にしてございます。

命が断たれた瞬間からまるで時が止まったように、その御霊が元より抱いている世の中と、一方の現代の世とは、ときとしてかなり隔世の感が生じます。

戦では、真剣そのものの殺し合いですから、負傷も実に甚(はなは)だしく、実際に目もつぶれてしまったような場合も少なくありません。

矢は何本も突き刺さり、腕も無い、胴体もえぐり取られ・・・・というように、“これが地獄絵図と言うのだろう”とわたくしは、それらの御霊の姿を拝見するたびに思いました。

そういった状況のなかで、かつて武士だった御霊に少しずつ光を入れ、自分を取り巻く状況も含め“自覚して”いただきます。要は、時の止まったその隔世の過去より意識を進ませ、今を“霊魂として”生きているのだということに気づいていただくのです。

先ほども書かせていただいたとおり、首を断たれた御霊の蘇生には時間がかかります。首を失った霊魂は、実際、霊的にも不安定で、当人も所在がわからずかなり彷徨(さまよ)うゆえです。

その意味でも分裂した身体の上下(首と胴体)は、各々が一度分離すると繋げるのは難しく、わたくしも首と胴体との(分離)状況を拝見しつつ、ときには必要なエネルギー(パワーを入れ)慎重に結合を図ってまいります。

“転生へ向け、あなた様はどうなさりたいですか?”と、その日も、霊的な蘇生についてを、武士の皆様一人ひとりにお伺いしました。腕も首も撥(は)ねられ、それこそ無惨なお姿の御霊に対して、です。

そういった状況にあっては、怖いなどとは言っていられません(※恐怖心が少しでもありますと簡単にこちらの魂が取られますから、その意味でも細心の注意が必要です)。通常の人間の感覚のままでしたら、それこそ卒倒でしょうか。わたくし自身一切の感情を停止して、粛々と対話に臨みます。

そうしますと、すぐさま長(おさ)の武士よりの御言葉が返ってまいりました。

「まず、この“鎧”を綺麗に直してくれ」と。

自分の身体ではないのです。こともあろうか、何よりも先に“鎧”を綺麗に直してほしいと、その長はわたくしに懇願するのです。

そして、「われらのこの姿(※ボロボロに破れた鎧姿です。)の、なんと惨(みじ)めなことよ・・・」として、さめざめと男泣きされる武士の方々も次々と現れました。

そのとき、わたくしははじめて、“武士の鎧兜とは、当人にとってはもしかしたら命以上と言えるくらい、本当に大切なものなのだ!”と強烈に印象に残りました。

(次回は④ 最終回です。)

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Source: 神々からのメッセージ

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