どうも、ヨウ-P(@s_y_prince)ことYO-PRINCEです!
いろんな切り口からカイゴのヒントをお届けしています!
今回は、通所介護や通所リハビリ等の事業運営をするなかで誤解の多い定員超過の考え方について正しく理解していただくための記事を書きたいと思います。
皆様の事業所は、正しく定員遵守できていますか?
通所サービスの定員は月平均で越えなければ大丈夫!?
通所サービスの利用定員は、各事業所の運営規程に定められています。
私の事業所は利用定員25名です。
仮に利用定員が25名だとすれば、当然利用定員を超える受け入れは出来ないって思いますよね?
当然のことながら越えてはいけません。
介護保険制度は、定員を超えないようにするために定員を超えた場合の減算規定を設けています。
定員超過減算と言って、月平均の利用者数が定員超過した場合に、その翌月の利用者分全員が所定単位数の70%に減算されるというものです。
月平均?
…ってことは、20人の利用の日があれば30人利用してもらう日があっていいってこと?
しかも減算されるだけ??
この減算規定を読む限りは、その解釈で間違いありません。
なので、月平均の利用者数が定員を越えなければ日単位で越えている日があっても減算はされないということになります。
そんなの日単位の減算規定でええやん?
なんで月平均にする必要があんの?
その理由はこちらのWAMNETのQ&Aにあります。
平成18年の制度改正で、通所サービスは要介護者は変わらず介護給付として日単位の介護報酬が継続され、要支援者については予防給付と名付けられ、月定額の介護報酬となったんです。
このとき、要支援1が週1回程度、要支援2が週2回程度と利用の目安が示されたものの、週に何回利用しても月定額なので、要支援2でも週1回しか利用されないケースもあり、改正後は事業所側も利用者側も混乱したんですよね…。
そんな月定額報酬となった予防給付と日毎の報酬のままの介護給付が区別されることなく通所サービスを利用している状況から、定員を月単位で考えることとなったようです…。
だからと言って、定位超過の減算を月平均で考える必要あるの??
介護報酬が月定額であろうがなかろうが、利用定員は1日単位で守らなければいけないもんじゃないの?
定員超過減算が利用者数の月平均である根拠は、これ以上には見当たらないので説明のしようがないのですが、ひとまずそういう趣旨でそうなっていると理解しておくことにしましょう(^_^;)
では、本当に日単位で利用定員を超えるのは問題ないのでしょうか?
災害や虐待の受け入れ等のやむを得ない場合は定員を超えても受け入れできる!?
平成18年の制度改正で通所サービスの定員遵守規定に「ただし、災害その他のやむを得ない事情がある場合はこの限りではない」との規定が加えられました。
その趣旨がこちらです↓
WAM NET 介護サービス関係Q&A(定員遵守におけるやむを得ない事情)
これは、当然あるべき規定ですよね。
やむを得ない事情というのは、災害時や虐待等が想定されています。
Q&Aにも書かれているとおり、各自治体に相談しながら自治体の適正な判断のもと利用定員を超えて受け入れることになります。
事業所が勝手に「虐待だからやむを得ない」と判断してしまうのではなく、各自治体に相談しながら受け入れるべきなので、「やむを得ない事情がある場合」というのはかなり特例と考えてよいと思います。
ちなみに、この「やむを得ない事情がある場合」の受け入れは、前述の減算規定においても適用されており、「やむを得ない事情がある場合」の受け入れで利用者数の月平均が利用定員を超えてしまっても減算しなくてもいいことになっています。
つまり、減算規定が適用されるときはこんな状況のときです。
- やむを得ない事情もなく利用定員を超えて受け入れている。
- 利用者数の月平均が利用定員を超えなければいけない。
考えてみてください…。
例えば、25人定員のデイサービスが6日間こんな受け入れをしたとします↓
月22名、火28名、水24名、木26名、金21名、土29名。
これでも平均25名ジャストです…。
ここまで無茶な受け入れをしてもなお、70%の減算に留まるというかなり緩い規定なわけです…。
定員を超えると減算どころか指定取り消しの可能性も!?
この減算規定のせいで、多くの事業所が「定員を超えても大丈夫」との勘違いをしています。
ここまで書いてきたのは、あくまで減算規定についてです。
そもそも介護保険制度では定員遵守規定があるわけです。
1日でも定員を超えれば運営基準違反なのです。
当たり前のこと過ぎて、見落としている事業所が多いんです。
指導する自治体のほうも当たり前すぎて気づかないことも多いようです。
ですが、自治体によっては「1日でも定員超過すれば基準違反であり指定取り消しの可能性もある」と明記した文書を出しているところもあります。
「通所介護 定員超過」でググってみたら一部の自治体の文書が出てきます。
実際に、私の知る事業所では1日定員超過していただけで実地指導で指導があったようです。
要するに、イエローカードです。
次やってしまったらレッドカードで一発退場です。
ちなみに、この利用定員には体験利用等も利用定員に含むとしている自治体が多いようです。
これも普通に考えれば当たり前のことなんですけどね…。
まとめ
法令の解釈というのは何ともややこしいものです。
特に介護保険制度は、5年ごとの制度改正と3年ごとの報酬改定というルールのもと見直しが繰り返されているので、複雑になってしまっています…。
大きく見直されることもあれば、継ぎ足しのような改正も多いんです。
通所介護の定員超過の考え方はまさに継ぎ足し改正の典型かと思います。
誰がどう見てもおかしいし、分かりにくいです。
ひとまず、通所介護の定員超過については、減算規定と定員遵守規定を分けて考えるようにしてください。
分かりにくいですが、どっちも守らなければいけないというだけの話です。
どんな規定も、どれだけ分かりにくくても守らなければいけないわけで、「知らなかった」では済まされないわけです。
難解な法の理解…。
まずはこちらの記事を読んでいただいて、介護保険制度の概要から学んでみてはいかがでしょうか?
知らなければいけない法令の多さと複雑さに嫌気がさしてくると思います…。
Source: すべての道は介護に通ず【暮らしかるモダンなブログ】
コメント