どうも、ヨウ-P(@s_y_prince)ことYO-PRINCEです!
いろんな切り口からカイゴのヒントをお届けしています!
今回はこちらのツイートを解説していきたいと思います。
役割分担でチームの活性化!
チームのなかで食事や排泄のスペシャリストを作ると面白いです☝️
「食事のことならアイツに聞いたらええねん」って存在を作って、特化した研修に行かせて極めてもらう!#介護にまつわる小さな引き出し
— ヨウ-P@介護福祉士×ブログ漫才師 (@s_y_prince) 2020年7月8日
介護現場の職員には、それぞれの「役割」があると思います。
チームの中で「個」を輝かせようと思えばそれぞれの「役割」が重要となってきます。
では、「役割」ってどうやってつくればいいんでしょうか??
その一つの答えがツイートの内容です!
では、解説していきます!
- 介護現場の役割の実態
- 介護のスペシャリストを作ってみよう!
- 別の角度で「スペシャリスト」を作るもよし!
- チームの課題や職員の個性に合わせたスペシャリスト集団を!
- 真の目的は「マクロ」と「ミクロ」を融合させること!
- まとめ
介護現場の役割の実態
介護現場での役割ってどんなものがあるんでしょうか?
利用者の担当とかですかねぇ~。
委員会任されてますよ~!
月毎の行事企画です!
だいたいこんな感じでしょうか??
私は、掃除当番とか、チェック表の更新…雑務ばっかですけど…。
そうなんですよね…(^_^;)
全ての職員に割り当てられるほど役割がなかったりするので、結構雑務が役割とされてしまうことがあるんですよね…。
ちなみに、これらは入所施設を想定した役割です。
通所や訪問だと、チームのメンバーの数も減りますし、常勤が少ないこともあって役割はもっと減ると思います。
通所施設で利用者の担当制を取り入れているところが少ないのではないでしょうか??
訪問介護だと、行事企画の必要なんてないでしょうし…。
そうなると、ただただ介護する毎日で「個」が輝くには、介護そのもので輝くしかないんですよね。
ところが、介護そのもので輝ける職員なんて一握りだと思います。
他にも、いろんな輝き方があったほうがいいですよね!
というわけで、ツイートの内容にたどり着いたわけです!
介護のスペシャリストを作ってみよう!
ツイートのとおり、「食事」「排せつ」「入浴」といった介護毎のスペシャリストを作ります。
介護士さんのなかには、得手不得手があったりします。
私は食事介助が好きなんだけど、排せつは苦手…。
僕は毎日お風呂でもいいっすよ!
介護士になった以上、どの介護もできなければいけないわけですが、ただただ平等に求められるとなると辛いですよね。
そこで、得意な介護で力を思う存分発揮してもらったらいいのでは…と思ったわけです!
もちろん、苦手を克服するためにチャレンジしてみるというのもアリだと思います!
では、どんなことをスペシャリストに任せていくのか!?
例えば、「食事」のスペシャリストならこんなことを任せてみます!
- 食事介助マニュアルの把握と見直し
- 食事介助の知識・技術の向上
- 食事環境の見直し
これは、「排せつ」や「入浴」でも同じことを任せていくわけですが、要するに、スペシャリストに任せていくことはこういうことです↓
- システム(マニュアルの把握と見直し)
- ソフト(知識・技術の向上)
- ハード(環境の見直し)
基本的にはこの3つの柱をスペシャリストに任せていくイメージですが、各現場の現状に合わせて今年度は「システム」だけといったように絞って任せるのもいいと思います。
ちなみに、このスペシャリストは「担当」という名称で呼ぶのが一番自然かなぁと個人的には思っています。
「食事担当」や「排せつ担当」といった感じですね。
では、上記の3つの柱について一つずつどんなことをするのか考えてみましょう!
システム(マニュアルの把握と見直し)
介護現場って、なかなかマニュアルが機能していないところが多いんですよね。
なので、「食事介助のマニュアルのことは、こいつに聞けば分かる」という人を1人だけでも作ってしまおうという発想です。
全員が全てのマニュアルを把握するのは実際のところ難しいですからね(^_^;)
で、その「担当」の職員がマニュアルを把握したとして、年に1回はマニュアルの点検をする等のルールを決めておくわけです。
見直したほうがよい箇所があれば、会議等で提案してマニュアルの見直しにつなげていくといったような役割を担っていきます。
まぁ、最初は、そこまでできなければマニュアルのチームへの伝達だけでも十分かと思います。
ソフト(知識・技術の向上)
「担当」になった職員が、知識・技術等に申し分なければ何の問題もないのですが、自信がないようであれば、外部の研修に参加してもらうようにします。
知識・技術ともに十分であっても、さらに磨きをかけてもらうために外部研修に派遣しましょう!
そうやって、まずは担当者自身の知識・技術の向上を図ります。
そのうえで、チームの知識・技術向上へ働きかけていく役割を果たします。
もちろん、これも欲張らず、最初は担当者自身の知識・技術の向上から始めると良いと思います。
例えば、チーム全体が「食事介助」の弱ければ、1人でも長けた職員が現われると、それだけでチームに影響していきますからね!
ハード(環境の見直し)
介護は環境が大事と言われています。
例えば、こんな感じですね↓
担当者には、「自立支援」や「安全」の観点から、「食事」「排せつ」「入浴」等の環境をチェックをしてもらい、環境改善につなげていきます。
もちろん、純粋に「見た目」をオシャレにするような環境の見直しもいいと思います。
何なら、最初は「見た目」のオシャレさだけでも見直したらいいと思うんです!
それだけでモチベーション上がる職員さんはいますからね!
別の角度で「スペシャリスト」を作るもよし!
このようにして、「食事」「排せつ」「入浴」等に特化した担当者を作っていくわけです。
もちろん、三大介護だけでなく、「レク」担当や「認知症」担当を作るのも面白いと思います!
各現場の状況に合わせて、強化したいところの担当を作ればいいですし、職員の得手不得手の状況に合わせて担当を作ってもいいと思います。
いぜれにせよ、各担当には「システム」「ソフト」「ハード」の面で役割を担ってもらうイメージで取り組んでみることをオススメします!
さて、別の角度でスペシャリストを作るということは、どういうことか??
それは、「システム」担当や「ハード」担当といったものを作ってしまうということです。
職員の中には、「システム」に強い職員や「ハード」に強い職員っていますよね?
これは、介護とは全く違うスキルだと思っています。
例えば、マニュアルを作らせたら天才的だったり、細やかなところを見ることができる職員さんは、「食事」であれ「排せつ」であれ「システム」面で力を発揮してくれます。
部屋の模様替えが得意な職員さんなんかは、「ハード」面で的確な意見をくれると思います。
とにかく介護技術は何をさせても申し分ないということであれば、「ソフト」面が強いということになります。
こんなふうにして、いっそ「システム」「ソフト」「ハード」のスペシャリストを作るのも面白いと思います。
「とにかく今はシステムを強化したい!」ということであれば、「システム」担当だけ作るというのもいいでしょう!
例えば、「食事」「排せつ」「システム」の担当を作ったとしたら、どういうことになるかというと、こんなイメージです↓
私「食事」担当やから、今度マニュアル見直したいねん!
でも、マニュアルなんて苦手やねんな~。
それやったら「システム」担当に相談したらええんちゃう?
マニュアルやったら、どうしたいか言うてもらったら文章化してあげるで!
いかがでしょうか??
何かが動きはじめそうな気がしませんか??
チームの課題や職員の個性に合わせたスペシャリスト集団を!
ここまででも触れてきましたが、この「スペシャリスト」作りのいいところは、チームの課題に合わせて、また、職員の個性に合わせて組み立てを変えやすいところです。
食事介助面での課題が大きく、特にマニュアルが不十分なときは、「食事」担当と「システム」担当を作って、たまたま「排せつなら任しとけ」っていう職員がいたら「排せつ」担当も作る…といった感じですね!
年度毎の事業目標に合わせて役割分担の組み合わせを考えてもいいかもしれませんね(^-^)
…とまぁ、こんなふうにしていくと、チーム全体を動かしていけるような感覚があると思うんです!
介護は「個別ケア」の時代で利用者個々を見ることが多くて、そうなると全体の課題を見落としがちになってしまいます。
自分の担当する利用者のことだけ考えてたらいいんすよ!
…そんな職員が現れたりもします。
それではチームとしてはダメなので、どうにかして全体のことにも目を向けさせなきゃいけないわけです。
真の目的は「マクロ」と「ミクロ」を融合させること!
このスペシャリスト作りは、全体に目を向けさせます。
利用者個々のことではありません。
全ての利用者にとっての「食事」や「排せつ」等の共通課題を広く捉えていきます。
介護施設は、いくら「個別ケア」が大事と言っていても、複数の利用者が共同生活をしている以上、様々な共通の課題を抱えています。
「個」の課題は、まさに「介護」の課題なので、介護士さんも注目しやすいんだと思うのですが、「全体」の課題って、他人事になってしまうことが多いんですよね。
リーダーに言うといたらいいんです。
僕の仕事やないんで…。
これでは、チームは活性化しません。
要するに、介護以外のどんな課題でもそうなんですが、「マクロ」と「ミクロ」の視点って大事なんですよね。
利用者個々を見る個別ケアが「ミクロ」の視点、利用者・職員含む生活全体を見るのが「マクロ」の視点ということです。
「マクロ」はリーダーの仕事だという考え方でうまくいくチームもあるかもですが、介護は「ミクロ」も「マクロ」もどちらの視点も必要で、多くの職員が両方の視点を持ち合わせているほうがチームはよい状態を維持しやすいです。
だって、担当の利用者のことしか考えない職員ばかりでうまくいくわけないですし、昔の集団処遇のようなケアで「個」が見れるわけないわけですから…。
今は「個」の時代と言われていますが、結局は「個」はどこかの「集団」に属しているわけですから、「集団」のルールも考えないといけません。
このスペシャリスト集団作りは、「マクロ」と「ミクロ」と融合させることが真の目的でもあり、それこそが「介護」なわけです。
こんなイメージですね↓
マクロ:食事担当、排せつ担当、システム担当など・・・
ミクロ:利用者担当
この考え方は、こちらの記事が元になっていますので、良かったらご覧になってください↓
ちなみに、「マクロ」と「ミクロ」の両方の視点を兼ね備えたうえで「ミクロ」視点での究極の個別ケアに突っ走ることがあっても、それはいいことだと思います。
人間、1人で生きているわけではないので、そばにいる誰か、支えてくれる誰かのことも考えておきたいだけのことなんです。
ここまで深く考えることができたら、それこそが真の「介護のスペシャリスト」なんだと思います!
まとめ
「マクロ」と「ミクロ」の視点で導入した介護施設の役割分担について、私の実践例をまとめました。
利用者担当というのは入所施設ならほとんどの施設があると思いますが、それだけではどこか物足りなかったんですよね…。
それは、利用者担当というものが「個」しか見ない「ミクロ」の視点だったからです。
やはり「マクロ」の視点も大切ということで、この記事で紹介した「食事担当」「排せつ担当」「入浴担当」といった全体を考える担当を導入したわけです。
この実践例は特養での実践だったのですが、これら以外に「システム担当」「環境担当」「介護技術担当」「認知症担当」を導入しました。
食事のシステム面のことなら、「食事担当×システム担当」で進めてもらったりしながら取り組んでもらったのです。
各担当のボリュームは、その年度の状況に合わせてコントロールして取り組みました。
年度毎に職員体制も異なりますし、その時々でチームのキャパも異なりますから、そのあたりのコントロールは不可欠で、そのコントロールをするのが管理者または管理者に準ずる職員の役割なのかなと思っています。
このような取り組みを継続していけば、徐々にではありますが、スペシャリスト集団へと成長していくはずです!
…ただし、難しいのが「継続する」ことですね…。
「継続する」ためには、やはり一定の体制も必要なので、そこは人事の方の理解が不可欠ということになります。
現場の取り組みに配慮のある人事でないと、これからの介護現場に成長はありません!
それぐらい人事の影響が大きいと思っておきましょう!
何事も取り組みは全社的に!
Source: すべての道は介護に通ず【暮らしかるモダンなブログ】
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