医者=ドイツ語、医学部=ドイツ語なんてイメージがありますが、実際はそんなことはありません。
数十年から医学部で学習している医師たちは、大学時代にドイツ語学ぶ機会などありません。常に英語と戦っています。
医学部はドイツ語なんていうのは、もはや何十年も前の概念なのです。
医学部ではもはやドイツ語は必修ではない
医学と言うとドイツ語というイメージが強いのですが、もはや医学部ではドイツ語は必須ではありません。
医学部の教養授業における第二外国語の中には、当然のことながらフランス語やスペイン語と並んでドイツ語の選択肢があります。
医学部に入りたての学生たちは右も左もわからないですから、学生たちはドイツ語をなんとなく選択するのです。実際に私が医学部の学生だった頃にも、同級生の7割とか8割位がドイツ語を選択していました。
富国強兵に邁進した明治時代においては、医学の中心は当然のことながらドイツだったわけです。今でも医学部の学生にとってはドイツ語人気というか、なんとなく選択してしまうのでしょうか。
しかし、今やその中心は完全にアメリカに移りました。
教養授業が終わってからは、外国語の中心は英語になります。解剖学の用語などを覚えるにあたっても、もはや英語がすべてであり、ドイツが出る幕はありません。
医者だってドイツ語なんて話せない読めない
医学部時代にはかろうじで第二外国語としてしか学ばないドイツ語ですから、医者だからといってドイツ語が読めたり話したりするわけではありません。
そして医者になってからもドイツ語と接する機会は全くと言っていいほどありません。
カルテやワイセ(白血球)など、医療現場で使われているドイツ語はありますが、もはや固有名詞だけであって普段はドイツ語と意識することはありません。
ニューヨーカーがSUSHIとかフランス人がJYUDOUとか呼称するのと同じですね。
田舎の病院ではドイツ語はたまにみる
ただこのドイツ語は、数十年前に医者になった先生方にとってはポピュラーなものであるようです。
時折田舎の病院に働きに行ったりとか、田舎の病院から紹介されてくる患者さんの紹介状には、ごくたまにドイツ語が紛れ込んだりしています。
時代だなぁと思って眺めているわけですが、現役世代で中心となっている働いている我々にとっては、ドイツ語なんてわからないのですから、あっても困るだけなのですが。。。。
今後ドイツ語の復権はあるか
そんな医者にとってはなじみの少なくなってしまったドイツ語なのですが、今後もメインストリームになる可能性は少なそうです。
もはやどの業界でも同じですが、医学の業界においても共通言語としての圧倒的な地位は何といっても英語です。
ドイツ人が書いた論文であっても、国際的に発表されるようなインパクトある研究は英語で発表されますし、国際学会に行ったとしても英語オンリーです。
日本語の寡占が続いてきた日本の学会においても、最近では学会発表や抄録を英語化しようとする試みが始まっており、多少の混乱をきたしています。
Source: 医者夫婦が語る日々のこと、医療のこと
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