連　鎖。

あれは何時頃だっただろう．．．

いつもより少し遅めの朝食を摂り、
洗濯機を回しながらテレビを点けていた

そこに流れたニュース速報

目を疑った

「なんで？」――

ここのところ、
活躍されている若い俳優さんの自殺が相次いでいる

自殺は連鎖する

同じ“俳優”という職業

そこに、心の関係があるのだろうか

それとも“コロナ”も、
ストレスの一因になっているのか．．．

好きな女優さんだっただけに、
衝撃があまりにも大きい

思春期の頃から、
なんとなく、“自殺願望”を抱いてきた

そんな私が本気で「死にたくない」と思ったのは、
乳がんがわかったとき

なのに、治療のつらさや先の見えない未来に、
いつしか、
あのときの「死にたくない」という強い思いが薄らぐ――

人の気持ちは変わり、
周囲の環境も変わってゆく

生きたいという思いと、
そうではない心が交錯する

自ら死を選ぶのは、否定はできない

いや、本当は、「死んではいけない」と思う

が、どこか否定ができない部分もある

　　こんなことがあるたび、テレビでは、

　　「誰かに相談してください」

　　と、窓口や連絡先を伝えている

　　が、本当に悩んでいる人は、
　　誰かに相談はできない、しない

　　本当に死ぬ覚悟を持った人は、
　　誰にも言わない

　　それが“結果”なのだと思う

　　少なからず私は、
　　悩みは他人には言えないな．．．

　　きっと、そういうひとは、
　　多いのではないだろうか――

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Source: りかこの乳がん体験記