がんの闘病記には励まされます。
とくに、治らないといわれているステージ4のがんを克服した患者さんの場合はなおさらです。
そんな一冊が、「すい臓がん・悪性黒色腫を乗り越えて」です。
著者の桃田清友さんは、2010年の8月にすい臓がんの肝転移、つまりステージ4(当時の分類でステージIVb)と診断されます。
すい臓がんの予後は非常に悪く、消化器がんのなかでも最悪です。
最新のデータでもすい臓がん全体の5年生存率は10%未満でした。
とくにステージ4になると、生存する可能性はほとんどありません。
桃田さんは、転移をともなうすい臓がんに対する標準的な治療である全身化学療法(抗がん剤)を受けることになります。
ところが、思いのほか抗がん剤治療(ジェムザールとティーエスワンの併用療法:GS療法)が効き、すい臓のがんが縮小し、また肝臓の転移が見えなくなったため、切除手術が可能となります。
手術は成功します。
しかし、その後ふたたび肝臓に転移が見つかります。
通常であれば切除の対象とはならないのですが、ここでも肝臓の転移を切除する手術にふみきります(最近では、オリゴメタといい、転移が少数に限られている場合には切除をすることで長期生存が得られる可能性もあるといわれています)。
術後経過中にさらなるがん(悪性黒色腫:皮膚がん)が見つかるのですが、こちらも切除します。
そして、その後は再発なく、なんとステージ4のすい臓がんの診断から5年間生存することができたのです。
ステージ4のすい臓がんを克服することは統計上非常にまれです。
しかし、桃田さん自身が分析しているように、やはり理由があります。
その理由とは、
・末期と宣言されても痛みなどの症状がなく、精神的・体力的にダメージがなかったこと
・抗がん剤が自分に合ってたこと
・手術ができたこと
・再発後、4年が過ぎても再再発が起きてないこと
・楽天的な性格が、過酷な状態をプラス思考にかえて、前向きにいきていること
たしかに、たまたま幸運に恵まれたと考えることもできます。
いろいろな偶然が重なって、生存できたのかもしれません。
しかし、やはり絶望の淵にたたされても「生きようとする前向きな気持ち」が最も大切だと感じる闘病記です。
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Source: 医師が考える「がんを治すために自分にできる5つのこと」
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