毛穴が目立つ7つの原因と対処法

外科医

■自己流の毛穴ケアでかえって悪化

「しみ」「くすみ」「たるみ」「しわ」「脂性肌」「にきび・吹き出物」「乾燥肌」など、いろいろなお肌の悩みを抱え、多くの患者さんが来院されます。その中でも特に多いのが「毛穴の開き」や「毛穴の黒ずみ」といった「毛穴」に関する相談です。

年齢性別を問わず多くの方が毛穴に悩まされ、自己流で毛穴パックをやったり、毛穴の黒ずみを洗顔ブラシなどでこすって落とそうとしたり、毛穴の詰まりを指や爪で圧出したりしています。

毛穴パックはやりすぎると、毛穴まわりの皮膚の角質も一緒に引きはがしてしまい、肌を傷めてしまうことがあります。また、洗顔の際に強くこすりすぎると、必要な角質まではがしてしまい、皮膚のバリア機能が破壊され、乾燥肌や肌荒れの原因となってしまいます。さらに、不潔な指や爪で毛穴をいじると、細菌が入って化膿することがあり、その炎症によって組織が破壊されると陥凹性瘢痕となり、毛穴以上に目立つ跡になってしまうことがあります。

このように自己流のケアはリスクが伴いますので、自己判断で毛穴をいじるのはやめ、専門家にまかせるのがベストです。

毛穴が目立つ主な原因は7種類あり、医師の診察によって原因を明らかにし、原因別に適切な治療法を選ぶのが最良の方法です。

 

■毛穴が目立つ7つの原因

毛穴が目立つ原因は以下の7種類あります。

1.角質のターンオーバー異常による毛穴の開き

2.皮脂分泌過剰による毛穴の開き

3.乾燥による毛穴の開き

4.毛穴周囲のメラニン沈着による毛穴の目立ち

5.いじり過ぎやにきび跡による毛穴の開き

6.たるみに伴う毛穴の開き

7.「毛」そのものによる毛穴の目立ち

それぞれについて、さらに詳しくみていきましょう。

 

■毛穴が目立つ原因別の治療法

1.角質のターンオーバー異常による毛穴の開き

皮脂の分泌が多いと、皮脂由来の脂肪酸が原因となり、角化異常を起こし、毛穴周辺がすり鉢状に盛り上がり、毛穴が広がって見えます。

この場合の治療法は、「ケミカルピーリング」がおすすめです。

乳酸、酸性アミノ酸、サリチル酸などの薬剤を塗り、古くなった角質を化学的に融解し、除去することで、肌の入れ替わりを促して、滞りがちな肌のターンオーバー(新陳代謝)を正常に戻します。また、毛穴に浸透して詰まった汚れや皮脂酸化物を溶かし出し、毛穴を引き締める作用もあります。

 

2.皮脂分泌過剰による毛穴開き

特に20~30台前半の若い世代に多くみられる毛穴の開きです。皮脂の過剰な分泌は毛穴の汚れ、黒ずみ、ざらつきなどの原因になります。また、肌のターンオーバー異常があると、毛穴から皮脂をスムーズに排出できず、周りの古い角質と混ざりあって詰まってしまい毛穴を広げてしまいます。皮脂が空気に触れて酸化すると黒く変色して毛穴の黒ずみとなります。

毛穴の深部まで皮脂詰まりがある場合のおすすめの治療は、マイクロダーマブレージョンです。当院では「シルクピール」という名称で行っています。これは、特殊なダイヤモンド粒子の付いた研磨機で古い角質を削りながら、毛穴の汚れや皮脂詰まりを吸引装置で吸い取り、同時に美容液を肌に浸透させる治療です。

皮脂詰まりがある程度取れたら、次の段階の治療として、「カーボンピーリング」がおすすめです。これは、カーボンオイルを毛穴の中に塗り込み、そこにQスイッチNd:YAGレーザーを照射し、カーボンを介した熱作用で毛穴を引き締める治療法です。

 

3.乾燥による毛穴開き

洗顔の際にごしごし擦りすぎると、お肌のバリア機能が破壊され、水分がどんどん蒸発してしまい肌が乾燥します。また、紫外線や冷房なども乾燥肌の原因となります。肌の乾燥を補うために、皮脂をたくさん出そうと体が過剰に反応し、皮脂腺が発達して毛穴が広がってしまいます。また、乾燥すると肌を守ろうとして角質が厚くなり、毛穴のまわりが異常角化して厚く盛り上がり、スリバチ状になってさらに毛穴が広がって見えます。

治療法としては、まずは保湿が重要です。セラミドやヒアルロン酸、天然保湿因子(NMF)などの保湿成分を配合した化粧水や美容液を用い徹底した保湿ケアをします。また、異常角化の悪循環をリセットするために、厚すぎる角質をピーリングで少し取り去る方法も有効です。

おすすめの保湿美容液は、「GELプラス」です。セラミドやヒアルロン酸、天然保湿因子(NMF)などの保湿成分に加え、ビタミンCの250倍以上もの抗酸化力をもつノーベル賞受賞成分、フラーレンも配合された贅沢な美容液です。

 

4.毛穴周囲のメラニン沈着による毛穴の目立ち

酸化した皮脂が刺激となり、毛穴周囲の皮膚にメラニン色素の沈着が起こり、毛穴が黒っぽくみえることがあります。

このような場合には、「ケミカルピーリング」により肌の新陳代謝を高めメラニンを排出し、「ハイドロキノン」という美白作用のある塗り薬を使用し、メラニンを作らせないようにします。さらにビタミンCを「イオン導入」で肌にしみこませ、美白をする治療をおすすめします。

 

5.いじりすぎやにきび跡による毛穴開き

毛穴パックをやりすぎたり、指先で押して角栓を押し出すなどしていじり過ぎると、毛穴の入り口が広がってしまい、毛穴が開いたままの状態になってしまいます。また、開いた毛穴に細菌が入り込むと、ニキビなどの肌トラブルが生じます。ニキビの炎症が長引いた結果、毛穴に一致した小さなにきび跡が目立ち、さらに悪化するとクレーターのような凸凹肌となる場合もあります。

このように、ニキビ跡の凹凸も混在している毛穴の開きは「フラクショナルレーザー」が最適です。フラクショナルレーザー治療は、微細なレーザービームを点状に照射し、その部分の皮膚のみにダメージを与えることにより、体が本来持っている傷を治す力(創傷治癒力)が働き、新しい皮膚に入れ替わるという最新の美容治療です。

 

6.たるみに伴う毛穴開き

老化に伴って肌がたるみ、重力で肌が引っ張られて毛穴が開いて見える状態であります。特に頬やほうれい線などに多く見られ、コラーゲンやエラスチンなどが存在する真皮の弾力が失われ、その周囲の皮膚が委縮して、毛穴の落ち込みが目立つ状態です。

皮膚のたるみによって、毛穴が下に引かれ毛穴が縦長になり、水滴や涙のような形に見えるのが特徴で、指で引っ張ってたるみを引き上げると目立たなくなります。また、この縦長の毛穴と毛穴が結びつくと、しわのような帯状毛穴肌になってしまいさらに目立ちます。

ハリが蘇れば毛穴開きは解消されるので、このタイプの毛穴には、たるみ改善治療が効果的です。

メスで切ったり、針を刺したりせずにできるダウンタイムのないたるみ引き締め治療としておすすめは、高密度焦点式超音波治療機器(HIFU)の「ウルトラフォーマー3」です。

これは、顔の土台となる筋膜(SMAS)と、皮膚の真皮に超音波を用いて熱を与え、肌の引き締めやたるみを改善する治療機器です。加熱により、肌内部のコラーゲンが縮み、お肌が引き締まります。また、少し遅れて新しいコラーゲンがどんどん生み出され、さらに肌のハリが戻ってきます。

 

7.「毛」そのものによる毛穴の目立ち

毛穴が気になるという方の肌をマイクロスコープという拡大鏡で見た場合に、かなり太い毛が生えていたり、毛穴の中に毛が詰まっていることがあります。特に眉間や鼻の毛穴に見られることが多いですが、こういう場合には、レーザー脱毛器による脱毛治療が有効です。

当院では、ロングパルスNd:YAGレーザーを用いて、安全で効率の良い脱毛をおこなっています。

 

毛穴は汗を出して体温の調節をしたり、皮脂を出して皮膚表面に皮脂膜を張り、お肌を保護したりと、身体にとってなくてはならない存在です。よって、毛穴を消したり、数を減らすことは不可能です。

しかし、様々な原因で広がってしまった毛穴を適切な治療を行うことで引き締め、目立ちにくくすることは可能です。

 

 

 

 

Source: Dr松下ブログ

コメント

タイトルとURLをコピーしました