先日、研修医時代を共にがんばった医師の結婚式がありました。
当然のことながら、同じく研修医時代を過ごした仲間も式には招待されるのですが、医師となり10年ほど経過すると、いろいろな事が変化します。
そして、徐々に話が噛み合わなくなってくる、という話なのです。
医者といってもキャリアは違う
研修医時代には横並びであった医師たちも、10年くらい医師として臨床経験を積んでくると、そのキャリアは大きく異なってきます。
もちろん、各診療科ごとの専門性でもキャリアは大きく異なるのですが、その他の要因でもかわってきます。
医局に所属しているかどうか
例えば医局に属しているかどうかは、大きな問題です。最近では大学病院の医局に属さずに、専門医の取得を目指す医師も増えてきました。
医局に所属して学会発表や研究、論文作成に追われている医師もいれば、市中病院に勤務しながらまったりと働き、専門医の取得を目指している先生もいます。
医局に所属していない医師からすると、医局の話はどこか蚊帳の外になってしまいますし、研究の話でかみ合うこともないわけです。
この辺りにも微妙な溝が生まれるのです。
医者といってもプライベードが違う
結婚しているかどうか子供がいるか
医師が結婚しているかどうか、子供がいるかというのも、話題に大きく関わります。
家庭を持っている医師であれば、奥さんの事や子供のことが話題の中心になり、仲の良い職場の人間との会話の中で仕事のことを話す機会は大きく減ります。
一方で家庭を持っていない独身の医師であれば、どのような結婚相手が望ましいとか、恋愛が楽しいとか、今は仕事をバリバリ頑張っているんだ、といったような独身特有の話になるわけです。
特に女性医師にとっては結婚や出産はデリケートな話題ですから、いくら研修医を共に頑張った仲間といえども、簡単に話題を振ることはできません。
もし職場の上司から後輩に同様の話題を出したとすれば、セクハラともとられかねないですから、細心の注意を払う必要があるのです。
環境の違いが亀裂を生むこともある
したがってみんなが独身で仕事一直線だった研修医時代に比べると、医師として経験を積み、人間としても年齢を重ねてくると、いろいろなバックグラウンドを抱えることになるのです。
例えば結婚式にやってきた研修医で同じだった子持ちの女医さんから「〇〇さんは結婚しないの?子供産まないの?」と言われてしまっては、言われた女医さんの方は決して気分はよくないはずです。
もし言われた方の女医さんが結婚で悩んでいる状況ならば、仲違いしてしまう決定的な一言になってしまうかもしれません。
また日々大学病院で研究を頑張っている医師から、医局に所属していない人間に発せられる「医局に入って研究しないの?毎日同じだとつまらないでしょ」という言葉も、亀裂を生むかもしれません。
研修医時代には仲の良かった医師たちも、経験を積みキャリアやプライベートが異なるようになると、簡単にその関係が悪化してしまうリスクを備えているのです。
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Source: 医者夫婦が語る日々のこと、医療のこと
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