「何を持って逃げようか...」

けたたましく響くサイレンの音――

「ん? 暴走車とパトカーのカーチェイスか?」

が、路面はすでにアイスバーン

カーチェイスなど、できる状況ではない

...と思った瞬間、
サイレンは一気にその音量を増す

「いや、消防車だ!! こっちへ来た!!」

そしてその音は、ピタリと止んだ

「え? 火事? この近く?」――

それは午後6時半を回った頃

夕食を済ませ、くつろいでいるときだった

慌てて窓に駆け寄り、
カーテンの隙間から外の様子をうかがう

が、特に変わった様子はない

玄関を開けてみると、
藍色の空に向かって白い煙がもくもくと立ち昇っている

その先、30mくらいだろうか

とりあえず、ここまで火の手は及ばなさそうだ

そして考えた

「こんなとき、何をもって逃げたらいいのか...」

と――

ここ数年増えた、自然災害

地震、台風、水害...

ハザードマップや避難所を確認したり、
災害によって変わる避難場所を考えたり、
歩いて避難する場合のルートを調べたり...

北海道は2年前、
北海道全土が数日間停電になるという、
“ブラックアウト”にも見舞われた

日常が戻るまでは数週間かかった経験がある

そのとき、身を以って、
防災グッズや非常食などの必要性も感じた

「何を持って避難するか、
 必要なものをまとめて
 身近に置いておかなければ...」

そう思いながらも、時間が経てば、
やがてその意識は薄らいでゆく

火事はすべてのものを焼き尽くす

思い出、財産...

以前、私の隣の家が火事になったことがあった

あのときの衝撃は、今でも強く心に残っている

日中でも、-3℃

あしたの朝も、-12℃

「この寒空の下、
 家を失くした人たちはどうするのだろう...」

「自分なら、どこへ行くだろう」

部屋の中は、きな臭さだけが残っている――

  以前は、持ち物は、
  “タモキシフェン必須”だったな...

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Source: りかこの乳がん体験記

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