「私が末期がんであることを、きっとみんな隠している」

氷点下7度

暖かな朝だ

窓の外は、静かに雪が舞っている

「今日は日本列島、汗ばむ陽気」

...と、テレビで言っていたが、
私の街は、日中でも氷点下5度

どうやらこの街は、
“日本列島”の中には括られていないようだ

そしてあすの朝は、再び氷点下21度の予報

北国の春は、まだ見えそうにない

そんな今朝の体重チェック

そう、
一応毎朝、体重計に乗ることにしている

以前は朝・晩、計測していたのだが、
なんとなく面倒になり、夜は端折った

そして、きのうの朝、
一気に落ちてしまった体重

今朝はさらに落ちていたのだ

「なんでこんなに体重が落ちるのだろう...」

「もしかして、身体中、
 がんに侵されているのか?」

...と、笑えない冗談で独り言ちてみる

「ねぇ、何か私に隠してない?
 本当は私、“あと何年”とか言われてない?」

と、術後しばらくして、
当時つきあっていた彼に問いただしたことがある

『5年近くもがんを放置していたのだ
 きっと私本人には言えないほど、
 余命が短いに違いない』

そう思っていた時期があった

体重が減ると、
いつもそんな過去の記憶が蘇るのだ

まぁ、“がん”とは、
“そんなことを思わせる病”ということで――

  一日3食の食事だけでは、
  どうやら必要なエネルギーが足りていないらしい
  (きっと、食べる量が少ないのだと思う)

  そこで、
  食後のおやつや間食が欠かせないのだが...

  「お菓子や甘いものは、がんを成長させる」
  「そんなものばかり食べていると再発する」

  と、言われることがある

  が、それよりも、
  体重維持の方が私には先決なのだ

  現に、
  甘いものを食べても再発していないし、

  甘いものを食べたからといって、
  再発するとも思えないし...

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Source: りかこの乳がん体験記

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