おはようございます。
ETFを通じて米国株投資を検討する場合、誰もが一度は目にするのがVTI、VYMといった商品でしょう。
全米中の3,000銘柄以上への分散投資を可能とするVTIは文字通り「米国全体への投資」であり、インデックス投資の王道を行くETFです。
一方、VYMは配当利回りが市場平均よりも優れた企業だけの集合体であり、その銘柄数は400前後とVTIの約10分の1となります。
本日は、VTIとVYMの過去のリターンを比較し、両者の特徴の分析します。
VTIとVYMはどちらが優れているか12年チャートを元に検討する
過去のリターンはできるだけ長期で、好調時と暴落時の両者で比較するのが重要
過去のリターンを比較する場合、1〜2年の期間ではあまり参考になりません。
可能な限り長期のリターンを比較すること、そしてその中に暴落を含むことが理想と言えるでしょう。
VTIとVYMを比較する時のポイントは2点で、
1) ディフェンシブ銘柄の多いVYMは暴落局面でディフェンシブさを発揮しているか?
2) VYMは、相場が好調な時にどれだけVTIに近似したパフォーマンスをあげているか?
でしょう。
要するに、VYMにとって有利な場面と不利な場面の両者においてパフォーマンスを比較し、そのいずれかでも大きくVTIに劣っていれば投資する価値は低いです。
VTI vs VYM:2006年11月〜2018年11月の取引値の推移
さて、初めはVTIとVYMの純粋な取引値の推移を見ていきます。
VYMの設定日が2006年11月ですので、約12年間の比較になります。
2008年のリーマンショック時と、その後の長期の順張り相場におけるパフォーマンスの両者が比較できますので、ありがたいですね。
(画像はYahoo financeから引用)
VTIは12年間で+105.3%、VYMは+66.7%という数字が見えてきます。
リーマンショックという大暴落を間に挟みながらも、辛抱強く12年間保有し続けることができた投資家は最終的に大きく報われたわけですね。
リーマンショック時の最大ドローダウンですが、両者ともに-50%程度となっています。
リーマンショック級の大暴落になりますと、本来ディフェンシブな役割を果たさなければならない高配当株と言えど、関係なく暴落に巻き込まれたことが見てとれます。
VYMのディフェンシブさに期待している方は、この事実は忘れないようにした方がよいでしょう。
VTI vs VYM:2006年11月〜2018年11月の配当込トータルリターン
次に、VTIとVYMの配当込みのトータルリターンを比較します。
2018年11月現在、VTIの配当利回りは2.0%弱、VYMの配当利回りは3.0%前後で推移しています。
VYMは市場平均よりも高配当な株の集合体ですので、配当利回りでは常に1.0%〜1.5%程度VTIよりも高い水準です。
(画像はETF replay.comから引用)
さて、12年間の配当込みトータルリターンですが、VTIが+165.9%、VYMが+145.8%という数字が導き出されました。
これをどう評価するかですが、12年間で20%程度のリターン差であればVYMはVTIによく追随していると私は思います。
一方、2008年のリーマンショック時には、配当金を含めてもVTIとVYMの両者の最大ドローダウンは近似しており、VYMのディフェンシブさに期待している投資家にとっては残念な結果といえます。
VTIとVYMはどちらを選ぶべきか?
トータルリターンで考えれば、利益成長率の高い企業を多く含むVTIの方が有利です。
米国ETFの配当金は現地と国内の二重課税になってしまいますから、上のETF replayの図よりも実際にはVYMがもう少し不利だからです。
配当金をもらうことは不労所得という嬉しさはあるものの、一方で長期投資における投資効率という意味では不利であることを意識しましょう。
直近で配当金で生活を賄わなければならない方は別として、長期保有が前提で配当金再投資を続けるだけならば、やはりVTIが有利なのだと思います。
ただ、配当金という目に見える成果を積み重ねていくのが長期投資の大きなモチベーションになるという点は無視できず、そのあたりを理解して実践している方は特に問題ありません。
かの有名なウォーレン・バフェットですら、配偶者に対しては「資産の90%をS&P500で保有すべき」と言うのですから、それなりの根拠があるということですね。
なお、蛇足ですが、VTIとS&P500 ETF(IVV、VOO、SPY)のパフォーマンス差は、VTIとVYMよりもより近似したものになりますから、どちらを購入するか悩むだけ無駄なレベルと言えます。
まとめ
VTIとVYMはどちらが優れているか、最長の12年チャートを比較して検討しました。
結論としては、若い方で20年以上バイ&ホールドを貫く自信のある方であれば、素直にVTIを買った方が有利でしょう。
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投資信託で米国株投資ならば、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)と楽天VTIの一騎打ちです。
配当金狙いの投資は、一定以上のスケールで実践しないと旨味が感じられにくいです。よほど入金力の高い方を除いて、投資を始めたばかりの方はVTIの方がよいです。
本家VTIをご紹介した記事です。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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