おはようございます。
当ブログの読者の方から以下のご質問をいただきました。
こんばんは。
ブログいつも楽しく読ませていただいております。
何でも気軽にというお言葉に甘えて教えて頂きたいのですが、この度、月5万円で投信を積み立てようと思っています。
私は日欧には期待していないので、米国メインで、それに新興国を加えようと考えています。
月にemaxis slim米国株4万円、emaxis slim新興国株1万円という感じを考えています。
全世界株式の投資信託はありますが、米国+新興国というのがemaxis slimにはないので、個別に購入するしかないのでしょうか。
また、今は新興国株に入っている中国やインドが先進国株に入ったりすることを考えて欧州株を買うのがいやなのですが、先進国株式も買っておくべきなのでしょうか。
お考えをお聞かせ頂ければと思います。
よろしくお願いします。
ご質問の要点としては、
1) 月5万円の投信積立を始めようと思っている
2) 日欧には期待しておらず、米国+新興国投資を検討している
3) 米国+新興国株への具体的な投資法
4) 先進国株式への投資の是非
といったところですので、さっそく検討してみたいと思います。
月5万円の積立投資で「米国+新興国株」投資の是非は?
月5万円の投資は非課税枠を100%利用できるため合理的
月5万円の投信積立というのは、iDeCoやつみたてNISAといった非課税枠を最大限に活用できるため、合理的な数字だと思います。
サラリーマンの方であれば、具体的には、
1) iDeCo:月12,000円〜23,000円
2) つみたてNISA:月33,000円
となります。
つみたてNISAは、原則的には20年間積み立てて複利の効果で利益を狙う投資法ではありますが、緊急で資金が必要になった場合には引き出すことが可能です。
よって、気軽に始めやすい制度といえます。
一方、iDeCoは掛金の全額が所得控除になるというメリットはありますが、60歳まで資金が拘束されるというデメリットがあります。
しかし、高額所得者であれば節税のメリットははるかに上回るでしょう。
次に、つみたてNISAの部分は楽天証券で楽天カード決済を利用することで、1.0%分のポイントを狙うのが王道です。
メガバンクの金利が0.001%、インデックスファンドの信託報酬が0.1〜0.2%台が常識という時代において、買い付けるたびに1.0%のポイントが還元されるというのはありえないことです。
ここまでは絶対にやった方がよいでしょう。
米国+新興国株投資の具体的な方法
ご質問者様のおっしゃる通り、「米国+新興国株」投資を一本で実現できる投資信託は今のところありません。
ですので、米国株と新興国株を別々に買い付ける必要があります。
投資信託を選択する時に重要なことは、
1) 長期投資に値するインデックス(指数)を選ぶ
2) 同じ指数に連動する商品の中で、最低水準のコストの商品を選ぶ
3) 発売以降のファンド純資産総額が右肩上がりに伸びている商品を選ぶ
この3点です。
これらの条件を満たすファンドを検討します。
「米国:楽天VTIまたはeMAXIS Slim米国株式」、「新興国:eMAXIS Slim新興国」が正解
上記を踏まえますと、米国株+新興国株投資に最適な投資信託は、
1) 米国株:
・楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)
信託報酬 0.1696%、純資産総額 約265億円
・eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
信託報酬 0.1728%、純資産総額 約83億円
2) 新興国株:
・eMAXIS Slim新興国株式インデックス
信託報酬 0.20412%、純資産総額 約105億円
となります。
これらの商品をご自分の好みの配分で組み合わせてポートフォリオを組みます。
リバランスは年1〜2回程度を目安に行えば十分でしょう。
先進国株式を買っておくべきか否かについて正解はない
一般的に、将来の経済成長率と人口動態の間に相関があると言われています。
その国の経済を支える生産年齢人口、および将来の経済を支える子供の人口が減ると経済成長率に陰りがみえてきます。
以下は、1900年以降の各国の株式・債券リターンを示すグラフです。
引用:1900年以降の激動の世界、投資リターンが変わらずに高い国-チャート – Bloomberg
この図で上位を占めている国は、いずれも人口増加率の高い国です。
米国以外では、南アフリカ、カナダやオーストラリア、ニュージーランドのリターンが高いですね。
日本や欧州の主要先進国の人口増加率はマイナス〜0%台であり、今後も同様の傾向が続くものと考えられます。
よって、長期的・持続的な経済成長にとっては不利といえます。
ここまでが一般論ですね。
一方、上記のように考える投資家が数多く存在すればするほど、日本や欧州といった地域が不人気株として割安に放置される可能性もあります。
日本や欧州の株価がすでに低成長を織り込んだ値付けがされている、もしくはそれ以上に過小評価されていれば、株価が上昇する価値はあります。
ちなみに、中国やインドといった国が将来的に先進国指数に組み入れられるかどうかは、私には分かりません。
おそらく誰にも分からないでしょう。
まとめ
ポートフォリオの資産配分には絶対的な正解はなく、自分が長期にわたって信じられるシナリオに従うだけだと思います。
一方、iDeCoやつみたてNISAなどの非課税口座を活用する、広範囲に分散されている超低コストのファンドを購入する、買い付け時に1.0%分のポイントを頂戴する、といったポイントはおさえておくべきだと思います。
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こんな記事も書いています。
どんなポートフォリオを組むにせよ、インデックス投資であれば長期目線で考えることが重要です。
ポートフォリオの構成割合も重要ですが、それ以上に月に何万円の投資が可能かが長期成績に大きな影響を与えます。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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