紫外線を浴びると体内でできる「ビタミンD」が、冬は減る。まして、コロナを避けるために在宅で過ごすことが多くなりがちな今年は、ビタミンDは一層減りやすいと想定される。ビタミンDの不足によって、コロナの感染や重症化が増えるのではないか。そう指摘する研究が相次いでいる。
たとえば、過去にビタミンDの血中レベルを測ったことがある489人について検討した米国のチームは9月、ビタミンDが不足していたとみられる人はそうでない人に比べ、新型コロナに1・77倍かかりやすいと米医師会雑誌の姉妹紙電子版で報告(https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2770157別ウインドウで開きます)した。
スペインのチームは10月、新型コロナに感染して入院した197人と、同数の一般住民とで比較し発表した(https://academic.oup.com/jcem/advance-article/doi/10.1210/clinem/dgaa733/5934827別ウインドウで開きます)。ビタミンDのレベルは入院した人たちのほうが低く、入院者の82%は「ビタミンD不足」に該当していた。一般の人での割合は47%だった。
インドのチームは11月、新型コロナの感染が確認されたものの無症状の91人と、集中治療室への入室を必要とした重症患者63人についての検討結果を報告(https://www.nature.com/articles/s41598-020-77093-z別ウインドウで開きます)。血中のビタミンDは重症患者のほうが低く、重症患者の97%はビタミンD不足だった。
アイルランドなどのチームは5月に、欧州各国の人々の血中ビタミンD濃度と、新型コロナ感染による死亡率との関連について報告(https://imj.ie/vitamin-d-and-inflammation-potential-implications-for-severity-of-covid-19/別ウインドウで開きます)。イタリアやスペインなど血中レベルが低めの国では、ノルウェーやフィンランドといった高めの国と比べて死亡率が高い傾向がみられたという。ビタミンDのレベルと新型コロナ感染との関連はみられないとする英国チームの研究(https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1871402120301156?via%3Dihub別ウインドウで開きます、抄録のみ)や、ビタミンDと新型コロナの関係について報告した論文の内容に疑義が示されたケース(https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0240965別ウインドウで開きます)もあり、まだ結論は出ていない。
ただ、自身もビタミンDと健康についての研究を重ねてきた溝上さんは、「最終的な結論がまだでも、少なくとも不足はしないよう注意したほうがいい」と考えている。
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Source: 身体軸ラボ シーズン2
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