手放したもの。手に入れたもの。

病気になると、絶望しかない

しかも、“がん”なんて、

“死”しかイメージできない

数年先に元気にしている自分なんか

想像すらできない

諦めなければならないこともいっぱい

やりたかったことも、

これからの夢も希望も、

未来さえも奪われた気分だ

そんな悲しみの壁を乗り越えたとき、

見えてくるものがある

それは、“普通”のありがたさ

“何気ない日常”のすばらしさ

ひとの温もり、

優しさ...

病気になって、

失うものばかりだと思ってた

手放したものしか数えられなかった

でも、それは違った

失った分、

新しい宝物を手に入れることができる

それは、かけがえのないもの

宝石のようにきらきらしたもの

抱えきれないほど大きなもの

たくさん涙を流した分、

きっと、ひとは強くなれる

たくさん痛みを知った分、

きっと、ひとは優しくなれる

がんは、たくさんのことを教えてくれる――

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Source: りかこの乳がん体験記

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