孫が寝る横で、孫の母が涙しながらその母の手を握り、
ご本人は優しいお顔で眠りながら、その背中を母親がさすっている。
四世代のザイタクは、こんなにも優しく、そして美しい。
母は、しっかりと自分の育てた娘の寝顔を見て、
私はこの娘に心から感謝してるんです、センセ。
今こうして、こうやって、娘に恩返ししてやれること、
本当に嬉しいんです。この娘ね、いつもいつも、
私のことを気にかけて田舎の私の家の掃除と草引きに、
毎週毎週、車を運転してきてくれるんです。
帰りにはいつも見送って、その時、
去りゆく車に手を合わせて拝んでいたんです。
だからこうして、今、恩返しできる。
センセ、本当にありがとうございます。
昨日寝床で、この娘と話したんです。
代われるもんなら代わってやりたいって。
そしたら、この娘ね、私にそれはアカンよ、って言うんです。
だって、いつものように、私をちゃんと見送って欲しいって、言うんです。
だから、もう私ホントこうやって、
背中をさすってやって見送る準備ができて本当に嬉しいんです。
笑顔やけど、大粒の涙をポタポタと落とされながら
話される母の顔は、本当に優しかった。そして、美しかった。
大切な時間を、大切に過ごしてもらいたい。
緩和なんて、これっぽっちも上手くいってないけど、
穏やかな優しい美しい時間であることを祈っています。
今日は、病気って、ほんま悔しいなあって、
うまく言えないけど、おもって過ごしています。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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