がんサロンは、“そんなとこ”なのか... ~蔑視的な言葉~

今日も雨...

丸2日、降り通しだ

そんな憂鬱に拍車をかけた、きのうの出来事――

それは、昨年末だっただろうか

私は体調が悪く、
その日のがんサロンを休んだ

心のどこかで、

「コロナだし、
 参加者も少ないだろう」

そんな思いも手伝った

が、そんなときに限って、
初めて参加される方がいるもので...

その方は女性

ご自身ががん患者だ
 (“がんサロン”は、患者本人、
  そしてご家族も参加できる)

サロンでは泣きじゃくっていたらしい

「よかったら、また来月来て」

と、
何度か参加されている方が声をかけると、

「また来ます」

と、言って会場を出たそうだ

が、次回のサロンに
その女性は姿を現さなかった

「“また来ます”って言っていたけど、
 あの人、今日来ないね。
 泣いて、話をして、
 気持ちが軽くなったのかな。
 そうだといいんだけど...」

と、「来月、来て」と声をかけた人が
ぽつりと口にした

それから数か月

結局、女性はあれから来ることはなかった

そしてきのうのサロン

「このあいだ病院で、
 あの女性に声をかけられて...」

と、
「よかったら来月、来て」のひとが
おもむろに話しはじめた

「初め、誰なのかわからなくて、
 そうしたら、
 “前にがんサロンで...”と言われたので、
 “あ!!”と思い出して...」

そしてそのひとは続けた

「娘さんにがんサロンに来たこと言ったんだって。
 そしたら、
 『“そんなとこに行くんじゃない!!”って言われた』
 って...」

耳を疑った

がんサロンは、“そんなとこ”なのか...

  その場にいた参加者全員が
  あ然としたのは言うまでもない

本人は、サロンに来たいらしい

「娘さんに言わないで来ればいいんでしょ」

と、
「来月、来て」のひとは言ったようなのだが――

私はそれを聞いて、ショックが収まらない

この13年、ここを居場所としてきた

ここで、
たくさんの人たちのお話を聞いてきた

そこには部位こそ違っても、
“がん”という病が連れて来る不安や恐怖感という、
共通の思いがあった

...はずだった

それらすべてを否定された気持ちだ

これまで
“がん”という心に携わってきたものすべてが崩れた

「がんが感染(うつ)る」

そう言われていた時代があった

がんになると会社を解雇されていたのも、
少し前までの現状

“がんだと就職ができない”という状況も、
未だ根強く残されている

“社会的排除”や“がんであることへの蔑視”

そんなことが当たり前のようにあった時代は
もう過ぎ去ったものだと思っていた

が、
健常者(敢えてこの言葉を使わせてもらう)は
がん患者を、
まだそんな目で見ていたのかもしれない

『がんサロン』は、

心が軽くなる場所

共感を得られる場所

不安が軽くなる場所

「一人じゃない」と思える場所

「仲間がいる」と感じられる場所

友だちが理解してくれない不安や痛みを
理解してくれる場所

家族が理解してくれない不安や痛みを
理解してくれる場所

そして、そんな不安や愚痴を口にしても
誰も否定しない

そんな場所

みんな、たくさん泣いてきた

みんな、たくさんの不安を抱いてきた

だから、みんな、
“がん”になったひとの気持ちがわかる

だから、みんなに優しくなれる

『がんサロン』が“そんなとこ”なんて、
なんだか哀しい

「そんなとこに行くんじゃない!!」って...

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Source: りかこの乳がん体験記

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