国民年金の学生納付特例分の追納をすべきか否か?

内科医

おはようございます。

国民年金の学生納付特例を利用した分の追加納入をすべきか否かについて以下のご質問をいただきました。 

ちゅり男 先生

いつも勉強させて頂いております。

私は間もなく医師3年目を迎える者で、ちゅり男先生のブログを参考にiDeCo、つみたてNISA、米国ETF投資を始めました。

本日は年金の学生納付特例分の追納について相談させてください。

私は医学部1年生の3月に20歳の誕生日を迎え、そこから6年生の3月までの61ヶ月間は学生納付特例を利用しました。

この61ヶ月分を追納しようとした場合の総額は約95万円であり、追納による国民年金の受取額の増加分は計算すると約9.9万円/年となるようです。

65歳から年金受給を開始して90歳まで生きると仮定した場合、追納で得られる増加額は約248万円となります。

年率ベースで考えれば、現在の95万円が40年後に250万円となるのは年率で2.5%弱の運用です。

年金の追納で得られるメリットとしては、国民年金が満額支給される他に、追納した年に追納分の所得控除があるくらいだと思います。

しかしながら追納への憂いとして、

①日本が国としてiDeCoを勧めており、今後国民年金制度は改悪するのではないか

②将来的にインフレが進めば年金(現金)の価値が目減りするのではないか

③そもそもVTやVTI等のETFに投資すれば2.5%以上の運用が期待できるのではないか

といった点が挙げられ、今のところ追納はせずその分をETF購入に充てようと考えております。

ちゅり男先生ならどうされますでしょうか。アドバイスをいただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。

ご質問ありがとうございます。

すでにご自身でいろいろ考察されていますので、後はその数字を天秤にかけて追納するかどうか最終決断を下すだけだと思います。

これ以上あれこれ考えても変わらない段階まで来ていますので、国民年金に関してはすぐに決断して次に行くのが賢明です。

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国民年金の学生納付特例分の追納をすべきか否か?

この質問に関しては、ご自身でお考えになっている通りでよいと思います。

資産形成というのは所詮数字のゲームですので、国民年金一つでこれだけの計算がぱぱっとできればだいぶ有利です。

なお、国民年金の学生納付特例分の追加納入をすべきか否かというのは、長い医師人生における資産形成トータルで考えた時はささいな問題です。

それよりも重要なのは、医師3年目の時点で国民年金のことも含め、資産形成について真剣に考えているということですね。

これが最も大きなアドバンテージだと思います。

私が医師3年目の時はインデックスファンドの積立投資はなんとなく実践していましたが、家計管理に関してはさっぱりダメでしたね。

独身であることを前提に書きますが、3年目の医師は世間一般よりも給与水準でかなり恵まれていますので、良いスタートダッシュが切れると思います。

 

要点は「今現在の95万円」と「65歳以降の年間9.9万円」の価値

このご質問の要点は、

1) 今現在の95万円

2) 65歳以降の年間9.9万円

のどちらをとるかという点だけですね。

90歳まで生きるかどうかは現時点では分かりませんので、シミュレーションに含めてもあまり意味がありません。

まぁ要するに、人の寿命など不確定な要素が大きいので、現時点で正確に有利不利を見定めるのは不可能ということです。

ですから、シンプルに「今の95万円」と「老後の年間10万円」のどちらを優先するかと考えるべきでしょう。

 

私ならば「今現在の95万円」をとります

ちなみに、私自身は今現在の95万円の方が価値が大きいと思っています。

ですが、今お金を払ってでも老後の安心を買いたいという人もいるでしょう。

個人的な意見としては、若手医師の方であれば、老後の年間10万円程度は国の力に頼らず自力でなんとかしてやるという気概が欲しいところです。

今から真剣に資産形成をすれば数十年後にはかなりの金額の配当金を受け取れる可能性があります。

今は大きく見える老後の年間10万円も、将来になって振り返ってみた時にたいした問題ではなかったと言えるようになりたいものです。

国の年金か、株式やETFによる自分年金のどちらを重視するかという問題にも置き換えられますね。

自分年金で年10万円を補おうと考えますと、VTを500万円くらい余分に積み上げればよいことになります。

ただし、30〜40年後にはVTの価格・分配金が成長している可能性は十分考えられますので、実際には300万円ほど積み上げればよいのかもしれません。

 

国の年金制度も自分の寿命も不確定要素が大

国民年金を追納すべきか否かについては、不確定要素が大きいため正確な見積もりは困難です。

何歳まで生きるか、数十年後に国の年金制度がどうなっているかは誰にも読めません。

一般的には、平均寿命は長くなっている確率が高く、年金制度は改悪している可能性が高いとは思いますが。

ただし、平均寿命はあくまで「平均」であり、若くてもいつ何時重篤な病に倒れるかは分かりません。

医師をしていれば日常診療の中で実感している通りだと思います。

その中で、「今現在の生活」を大切にしながらも、明るさよりも暗い要素の大きい日本の将来に備えていきたいものです。

 

まとめ 

国民年金に関して、学生納付特例分の追加納入をすべきか否かに関するご質問でした。

シンプルに、「今現在の95万円」と「65歳以降の年間10万円」のどちらを重視するかと考えればよいでしょう。

 

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こんな記事も書いています。

医師のように転勤族で多額の退職金が望めない場合には、iDeCoの利用価値が上がります。

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老後を国の年金制度だけに100%依存するのは危険です。配当金など他の収入源をいくつか持っておく必要があるでしょう。

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資産形成を考えるうえで、税制を知ることは欠かせません。

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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ

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