2007年1月10日水曜日、朝8時20分
白い息を吐きながら、
私は両親とともに、住み慣れた家を出た
荷物は、数枚のタオルとティッシュ、
ボディソープやシャンプー類
生理がはじまりそうなので生理用品と、
とりあえず2週間分の下着とバンダナ
バンダナは、
術後、そのまま抗がん剤治療に入りそうなので、
髪が抜けたときに巻くためのもの
ベッドの上には入院が長引くことを想定し、
10枚ほどの下着
そして、
“万が一、なにかあったときのために”と、
遺影になりそうな写真を挟んだアルバムを用意した
家を出るとき、
近所の人に見られはしないかと、
それだけが気がかりだった
父と母、そして私が
こんな朝に荷物を抱え出かけるなんて、
誰が見ても尋常ではない
運転席には父
助手席には母
私は大きな荷物とともに、
後部座席に腰かける
車内はしんと静まり返っていた
3人に会話はない
『母も父も、
なにを思っているのだろう...』
ただ、
凍てついた路面を削るタイヤの音だけが
けたたましく響いた
窓の外は、見慣れた景色が走っている
毎日通った学校、職場...
それは、あまりにも当たり前すぎた景色
なのに、
こんな気持ちで眺めることになるなんて...
「私はまた、
この景色を見ることができるのだろうか」――
あれから15年
この寒さと白い街とともに、
あのときの気持ちが蘇る
そんな今日は、
大好きなパン屋さんのパンで昼食
おいしいものを食べると、
心が落ち着く
テンション上がる
そして夜は、上弦の月を眺め...
今、ここに生きている奇跡――
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Source: りかこの乳がん体験記
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