「ウクライナ人は1番、インド人は2番、アフリカ人は最後」
ソーシャルメディアで拡散されている動画には、列車への乗車を拒まれているとみられる黒人の人々や、列車に乗ろうとしている黒人の少女をウクライナ兵が押しのけて白人の少女を乗せているとみられる様子、氷点下で赤ん坊にミルクを飲ませている黒人女性など、国境検問所での醜悪な場面が映っている。
首都キエフの大学に通っていたナイジェリア人のアレクサンダー・ソムト・オラは、ポーランドに入国しようとした際にウクライナの当局者から受けた「差別」を明かした。メディカの検問所から30分の距離にバリケードが設置され、難民は肌の色で分けられていたという。
「白人はこちら、非白人はあちらというふうに分けられ、白人は入国が認められたが、私たちは何日もそこで寝泊まりさせられた」とオラは本誌に語った。「私たちが抗議すると、警察官は『撃つぞ』というそぶりを見せた。でも、しばらくしたら、私たちはみんなでバリケードを突破した」
ウクライナとルーマニアの国境にたどり着いた医学生のコリーヌ・スカイは、「国境に到着して、(アフリカ系の)私たちが避難するなんてけしからんと考える一部のウクライナ人から暴力的な嫌がらせを受けた」とツイート。インスタグラムのライブ配信では「国境検問所にたどり着いた避難民からの差別もある。ウクライナ人は1番、インド人は2番、アフリカ人は最後というヒエラルキーがあるようだ」と話した。
ウクライナは学費や生活費が手頃なため、医学部や工学部などで学ぶアフリカ人留学生が非常に多い。
作家で公民権運動活動家のショーン・キングはツイッターに、「越境に苦労しているのはアフリカ系だけでない。インド系、中南米系、アラブ系など、全ての有色人種の移民もだ」と投稿。ウクライナから他国に避難する人々の発言を例に挙げ、「ヨーロッパ系の人は簡単に入国している」と指摘し、こう述べている。
「はっきり言おう。ポーランドやブルガリア、ハンガリーの政府は、ウクライナから避難してくる全ての人を歓迎するとしている。だが、そうした声明が国境で実行に移されているわけではなく、どこの国境でもひどい人種差別が行われている」
一般論では、難民は祖国への帰還を望むが、現実は違う。ランド研究所の調査によれば、紛争が終わっても帰国する難民は全体の3分の1にも満たない。そうであれば、ウクライナ難民も祖国へ帰らず、(それが彼らの望むところかどうかは別として)そのまま最初の受け入れ国に定住する可能性が高い。そうなった場合、私たちは一時的な善意や同情で「住まわせてやる」のではなく、共に暮らしていくすべを学ばねばならない。それが難民にとっても、難民を受け入れるヨーロッパ諸国の人々にとっても、最も難しい課題となるだろう。
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Source: 身体軸ラボ シーズン2
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