おはようございます。
2022年2月以降、インフレやロシアのウクライナ進行などの影響で株式市場は調整局面を迎えています。
株式から逃げた資金がどこに移っているかですが、その1つとして金を始めとするコモディティ(商品)が挙げられます。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
そこで、本日は金などのコモディティ投資の考え方について考察します。
リスクオフにより株式からコモディティへ資金が移動
本日の記事の要点は以下の通りです。
1. コモディティ、特に金への投資判断について
2. コモディティへの分散投資は有効だが、有事になってからでは遅い
3. アセットアロケーションを決定し、リバランシングで対応するのが適切
以下1つ1つ掘り下げてみていきます。
1. コモディティ、特に金への投資判断について
ポートフォリオの一部にコモディティ(商品)を組み込むことには一定の意義があります。
コモディティの中で投資対象としてメジャーなのが貴金属であり、その中でKingとも言うべきなのが「金」です。
金への投資方法は金貨、純金、投資信託、ETFなど様々ですが、保管や流動性などを考慮しますと金ETFが最適と言えます。
ポートフォリオに金を組み込む意義については、以下の記事で考察していますので参考にしてください。
要点としては、
1) 金は株式が暴落した時の資金の退避先になるため株式の値動きと逆相関を示すことが多く、ポートフォリオのバランサーとしての役割が期待できる
2) 金貨や純金は売買や保管などの問題があるため、一般的には金ETF(GLDやIAU)を活用するのがオススメ
3) 金ETFは株式と比較すると経費率が高く、また配当などの付加価値を生み出さないため、あくまでポートフォリオの一部で保有するに留めるべき
ということになります。
2. コモディティへの分散投資は有効だが、有事になってからでは遅い
以上の金ETFの性質を理解したうえで、ポートフォリオのリスク低減効果を期待して金を保有することには意味があります。
その一方で、金そのもののはあくまで貴金属であり、株式のようにそれ自体に大きな成長性が期待できるものではありません。
よって、ポートフォリオの主力に金をおいて長期保有するのは避けるべきでしょう。
金にポートフォリオのバランサーとしての役割を期待するのであれば、株式が暴落して投資家が金に資金を退避させ始めてからあわてて購入していては遅いです。
有事になってから金を購入するのではなく、平常時にポートフォリオの一部に仕込んでおき、有事になった時に株式と異なる値動きを示すことを期待するのが適切です。
3. アセットアロケーションを決定し、リバランシングで対応するのが適切
では、我々個人投資家は何をすべきかと言うと、やはり「アセットアロケーション(資産配分)を決定すること」から始めるべきです。
ポートフォリオに金を組み入れるのであれば、全資産の何%金を保有するかルールを決めておく必要があるでしょう。
事前に決めたルールに従い平常時に金を仕込んでおくことが重要です。
株式が暴落した時に想定通り金の価格が上昇すれば、ポートフォリオ全体の中で金が占める割合が高くなるはずです。
その時にリバランシングで高くなった金を売却し、割安になった株式を買い足すことができれば理想と言えます。
逆に、世界中の投資家が金に群がり始めた後に自分もあわてて金を購入する行為は、いわゆる「後乗り」になる可能性が高く危険でしょう。
まとめ
リスクオフにより株式からコモディティへ資金が移動しています。
コモディティは有事の際に株式と逆の値動きを示す傾向が見られるのが魅力で、ポートフォリオのバランサーとしての役割が期待できます。
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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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