おはようございます。
当ブログの読者の方から以下のご質問をいただきました。
こんにちは。
いつも貴殿のブログを拝読させて頂き勉強させて頂いております。
誠に恐縮ではございますが、ご質問がございます。
現在、46歳で非課税枠をフルに使い企業型DCとつみたてNISAで外国株式インデックスファンドを積立投資しております。
そこでご質問させて頂きたいのですが、出口戦略として、企業型DCは信託報酬が高い(0.27%)ので60歳時点で一時金として受け取り、その資金でバンガ-ドのBNDを購入し、毎月配当金を受け取り、その配当金を可能な限り再投資して行きたいと考えております。
仮に60歳時点で円ベ-スで1,000万円分BNDを購入し、配当利回りは2.5%だとすると、毎月の配当が円ベ-スで25万円、そこから外国税、国内税併せて30%を引いた税引き後の配当17.5万円、年間で210万円になると思います。
まず上記の見解は合っておりますでしょうか?
そして、その配当金を65歳ぐらいまで、BNDに再投資して、配当金とBND自体の株数を増やし、最終的には70歳ぐらいでキャッシュに換金するというプランを立てております。
VYMなどの株式ETFも検討したのですが、やはり堅い運用をしたいと考えており、行き着いたのが債券ETFのBNDという事になります。
人生100年時代とは言え、どこまで健康でいられるか分かりませんし、高齢になっての運用にも不安があり、本来であれば、ホ-ルドし続けるのが最適解だと思うのですが、ある程度の所でキャッシュ化したほうが家族にも分かりやすいと思ったうえでの考えです。
つみたてNISAについても2037年65歳時積立完了までに利益が出ていれば、一括でキャッシュにしてしまおうと考えてます。
ちゅり男様ならいかがされますでしょうか?
ご指南頂ければ幸いです。
何卒、宜しくお願い致します。
ご質問ありがとうございます。
ご質問の内容についてですが、残念ながらBNDの利回りについて大きな間違いがございますので、そのあたりを中心に検討してみます。
債券ETFのBNDは手堅いですが、やはり長期投資の中心は株式です
BNDの分配利回りは「年間2.5%」です
上述のシミュレーションの最大の問題点は、BNDの分配利回りは月2.5%ではなく年間2.5%という点です。
基本的に分配金の支払われる頻度に関わらず、分配利回りというのは「年◯%」という意味だと考えてください。
もしBNDを購入するだけで月間2.5%も利回りが得られたら、年利30%になってしまいますので、BNDが優秀な商品すぎて誰も株を購入する人はいなくなります。
つみたてNISAと確定拠出年金などやめてBNDだけをひたすら購入すべきですし、私も全財産をBNDに置き換えてさっさと隠居生活をすると思いますw
わざわざレバレッジをかけて不動産をやろうなどと言う方もこの世からいなくなるでしょう。
さすがにそこまで都合のよい商品が大多数の人に見逃されて放置されているわけがありません。
VYMもリスクはあるのでBNDで手堅くという発想自体はアリです
BNDの分配利回りは年間2.5%〜3.0%程度ですが、それでも数千万円以上の大きなスケールで投資をすればそこそこのインカムにはなります。
あのリーマンショック時でも取引値の低下が10%未満という債券ETFの安定性を考慮すれば、年齢が進むにつれて魅力が増す投資先と言えます。
VYMなどの株式ETFは、インカムだけでなく長期保有である程度のキャピタルゲインも狙えるのがメリットです。
ただし、VYMは高配当・ディフェンシブ銘柄を中心に構成されているとはいえ、所詮は株式の集合体です。
大きなリセッション時にはディフェンシブと言われる銘柄も関係なく値下がりすることをしばしば経験します。
ご質問者様のおっしゃるように、「手堅い運用」という点に重きをおくならばBNDなどの債券ETFは絶好の投資対象でしょう。
ただし、日本からの投資ですと、どうしても為替リスクが同時に発生しますからそのあたりをどう考えるかだと思います。
まとめ
債券ETFのBNDは手堅い投資先ですが、長期投資前提ならばやはり運用の中心は株式にすべきでしょう。
私自身は、債券ETFオンリーでは値動きが少なすぎて物足りなさが残ります。
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レイ・ダリオの「オール・シーズンズ戦略」はリスク管理に重点が置かれており、債券をかなりの割合で保有します。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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